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土地活用
2017/06/14

押さえておきたい、グランピング経営のノウハウ

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MakMaxプラス
【目次】
1 グランピングの経営ノウハウ!必見!!
1-1 グランピングの定義
1-2 グランピングが注目されている理由
1-3 グランピング経営の事業特性
1-4 グランピングのターゲット顧客
1-5 グランピング経営の課題
2 事業者としてグランピングを運営するために押さえておくべき3点
2-1 事業コンセプト構築
   2-1-1 コンセプトの選定
   2-1-2 あなたの事業ターゲットの選定
   2-1-3【グランピング経営】施設の構築計画を立てる
3 グランピング運営シュミレーション
3-1 グランピング開業までのスケジュール(15~20ヶ月)
3-2 事業運営・ビジネスモデル
3-3 全体の事業計画
   3-3-1初期費用
   3-3-2 売上
   3-3-3 費用
   3-3-4 不動産と関係のある税金

1グランピングの経営ノウハウ!必見!!

日差しがまぶしく、キャンプに行きたくなる季節になってきました。

グランピングって、良く聞くけどそんなに流行っているの?
グランピングをするのに、実はそんなに初期投資はかかりません。
グランピング経営のノウハウについて興味のある皆さんに是非お薦めいたします。
グランピングをしている写真

1-1グランピングの定義

「グランピング」とは、「グラマラスキャンピング」の略で高級ホテル並みの設備と上質なサービスが受けられ、地域の文化・自然を優雅に楽しむキャンプスタイルをいいます。

グランピングの発祥は、100 年前のモンゴルから始まりました。
モンゴルの遊牧民は、大草原の中をパオで移動しながら暮らす生活を送っており、この移動式のパオの中には家具などがあり、グランピングの原点と考えられています。

植民地時代には富裕層の欧米人がアフリカに贅沢な冒険旅行をしており、キャンプの内装は豪華で快適な旅とともに食事も専用のシェフを連れて楽しんでおりました。

1-2グランピングが注目されている理由

従来のキャンプは、風呂やトイレがなく、ベッドや食事も最小限が準備されて屋外で宿泊するのが一般的でした。

グランピングは大自然の中で、四季を感じながら何も空をさえぎるものがない場所からの星空や、夜明けとともに聞こえてくる鳥のさえずりを聞き、すがすがしく贅沢な時間を過ごすことができる非日常体験は、リラックスした状態で新しい未知な体験をすることができます。

キャンプは興味あるものの「薪の火おこし」「テントの設置が大変」「料理が面倒」「虫が嫌」などと、嫌がる方も多いのも現実です。しかし、そんなめんどくさがりやな人々にも手軽で豪華なキャンプとして「グランピング」が広がってきました。

日本の自然を楽しめる「グランピング」に政府や旅行業界、またインバウンドの新しい顧客層の流入も期待されております。

1-3グランピング経営の事業特性

グランピング」は、「プライベート感」「文化」「自然」がキーワードになります。
ビジネスモデルとして大きく3つのポイントがあります。

①投資回収が早い
②失敗したらすぐに手直しできる
③市場に対応したフレキシブルな展開が可能

一般的なグランピング事業は、通常のリゾート施設より規模が小さいため、稼働率は高く50~60%で投資回収は3~5年程度と回収が早い事業といえます。(※建設場所や建設物件の仕様により異なります。)

また、ホテルのリノベーションや大規模修繕などの大掛かりな費用がかからないことも大きな特徴になります。

各施設は独立しているので、工事時期をずらしてのリノベーションが可能になります。

1-4グランピングのターゲット顧客

海外からの流入が期待できるインバウンド層がこれから期待される市場になります。

インバウンド層について

2016年の訪日外国人数は、前年比21.7%増の2403万9000人になっており、2019年にはラクビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックには、4000万人の訪日客が見込まれております。

また、以下の表は日本、中国(本土)、香港、台湾、オーストラリア人を対象に訪れたい国、再訪したい国を調べた調査になります。いずれも日本が総合1位を獲得するなど、日本への関心の高まりがうかが えます。

(図A)訪れたい国ベスト5※「アジア・パシフィックにおける旅行に関する意識・動向調査」
2014年に訪れたい国Top5
>画像を拡大
2014年1月24日 Travelzoo記事より

(図B)リピートしたい国ベスト5
2014年にリピートしたい国Top5
>画像を拡大
2014年1月24日 Travelzoo記事より

1-5グランピング経営の課題

経営の課題

5月GW~10月SWまでの半年間、その内、夏休みの7,8月はかなりの集客が期待できる時期になります。
週末の利用率は高い傾向にありますが、平日は閑散傾向にあります。平日の稼働率を上げるために定期的な催事イベントを通じた集客が必要になります。。

また、天候不順に弱く、台風や大雨、雪が降る冬の1~3月は、利用率が大幅に減る傾向があります。閑散期の利用率向上が大事なポイントになります。

しかしながら、欧米や2月の閑散期に長い休暇のある中国市場の取り込みを行なうことで、集客の改善も可能かと推測されます。

【グランピング経営ノウハウ】稼働率を向上させるための施策

    • 閑散期と繁忙期の料金設定
      稼働率を上げるためにも閑散期と繁忙期の時期による価格設定が必要になります。平日と週末も同様に価格設定を変えることもポイントになりそうです。

    • 悪天候時のグランピングの遊び方
      天候がいつでも良い条件とは限りません。悪天候時に屋外でのアクティビティが制限される中、施設内での遊び方をどのように行なうかを考える必要があります。雨でのBBQが楽しめる施設作りが求められます。

    • 平日ターゲット層の開拓
      グランピングの稼働率を上げ、収益を高めるには平日の催事イベントをどのように行なうか、地元の幼稚園、保育園に向けた施設提供や高齢の方々における福祉的な活動に使ってもらったりすることも大事になります。

    • 冬季の楽しみ方
      フルシーズン営業期間とするか、冬季は閉鎖するのか、冬季は気象条件の悪化に伴い、どうしても集客をするのが難しい時期になります。施設内で雪を使ったアクティビティができるか、また悪天候時の遊び方についても良く考える必要があります。

2事業者としてグランピングを運営するために押さえておくべき3点

2-1事業コンセプト構築

大事な点の気づき

グランピングを成功させるためには、立地に見合った明確な事業コンセプトが確立されているかどうかにかかっています。

またそこに来てもらうための施策が必要になります。ホテルでもなく、キャンプでもない施設をどのように演出していくのか、この施設にしかない魅力をどのように伝えるか、事業者の腕の見せ所になります。

2-1-1コンセプトの選定

それぞれの立地にあった、また季節に応じた施設の見せ方があります。

日本は、他の海外にはない四季というものがあります。普段当たり前のように時間の経過とともに過ごしていますが、春には桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色など、場所によってさまざまな魅力があります。

こうした魅力をどのように価値を高めてお客様に提供できるかが、とても大事なポイントになります。

コンセプト作成の手順については『【オーナー必見】グランピング施設のコンセプトの作り方』で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。

「自然」

鳥が緑の中で楽しむ

沈んでいく夕陽や星空から、その土地にある空気感、鳥のさえずりや、フクロウの鳴き声、蛍であったり、また森や海、湖の自然から発せられる匂いなどもとても貴重なものになります。

「景色」

キャンプの景色

施設に到着して、視界に見える景色からグランピングは始まります。晴れや雨、雪の場合、それぞれに感じられる景色についても十分に認識をしておく必要があります。

「食」

バーベキュー

見知らぬ土地に来て、地元の魚や野菜、果物など、どのように調理されて食べることができるのか、グランピングのもう1つの醍醐味です。

また施設に併設されたBBQのファイヤーピットでは、火を見ながらワインを片手に静かに談笑しつつ、仲間や家族との幸せなひとときを提供することができます。地元の素材選びから調理方法まで熟練のシェフの腕の見せ所です。

「湯」

温泉

温泉や鉱泉、またジャグジーのあるSPA等は、旅の疲れを癒す最高のおもてなしができます。自然に調和した湯の空間は贅沢な時間を提供することができます。

2-1-2あなたの事業ターゲットの選定

インバウンド、シニア、ファミリー層だけでない、施設を共感できる個人レベルのターゲット選定が必要になります。

2-1-3【グランピング経営】施設の構築計画を立てる

【立地選定】

  1. 施設へのアクセスは良いか
  2. 有名な温泉や観光スポットが近くにあるか
  3. 地域の自然文化とは何か?四季の移ろいの変化や自然の種類だけでなく、親和性があるか遊ぶことができるか
  4. 動物や植物はどんな生態が存在しているか
  5. 太陽はどこから上り、どちらに沈むか
  6. 星はどこから何を良く見えるか

など、十分な土地調査が必要になります。
また、急病人が出た場合の医療機関の場所の確認や大雨などの際に地盤が軟弱でないかなどの 確認も重要になります。

まずは、土地の現地視察を十分に行ない、地域性を理解をすることが大事になります。

【施設規模】

プライベート感を出せるかどうかが重要なポイントになります。

一般的には、6,000~10,000㎡の敷地スペースがあれば理想的です。

敷地段差、斜面、植栽、切り土、盛り土などで工夫することもひとつのやり方です。一般的には、10棟くらいの棟数から始めるのが一般的です。

また、施設グレードをつけるために「レギュラー」、「デラックス」、「スイート」といった部屋の格式を変える事も大事になります。

【基本施設】

宿泊施設は、グランピングの基本となりキャンプテントもあれば、リゾートホテルのような本格的な宿泊キャビンを設置するケースもあります。

絶景となる自然をより見えるような施設作りをするには、外のウッドデッキにアウトドアリビングができるような機能を用意し、外部と宿泊キャビンを一体化した施設作りが重要になります。

【最低限必要なもの】

  • ダイニングキッチン
  • トイレ
  • シャワー
  • エアコン

    ※日常を演出する薪ストーブやペレットストーブなどあれば尚良い。

管理棟&CAFE棟は、フロント機能(受付・コンシェルジュ、安全管理、夜間緊急時対応)を備えるが、コミュニュケーション作りとしての場としても重要になります。

また軽食などの食材を保管する倉庫も必要で、食材搬入動線経路、冷蔵、冷凍庫の設置、ゴミ処理の保管スペースなども必要になります。

またゲスト棟として、SNSでの発信を想定した豪華で優雅な空間作りも必要とされております。

また設備として給排水・汚水・電気通信設備、ガスなどの容量の確認や行政の許認可の手続きも発生します。

その他の施設としては、星空ステージ施設やSPA、温泉や歩廊の照明、子供やペットの遊び場やハンモックガーデン、ジップスライダー、色々な遊び道具を保管できる簡易倉庫もあると便利になります。
最近では、ジップスライダーを採用するところが多くなってきています。

【施設維持、補修、追加投資】

施設は開業したと同時に美観維持、日常的な補修と新規宿泊施設の検討が必要になります。自然の中に存在する施設のため、山であれば松ヤニ、鳥の糞や鹿や狐などの野生動物が出没するケースもあります。

また悪天候等により施設の一部が壊れたり、大雨により流されたりするリスクが伴います。補修するか新規に購入するか、グランピング施設は耐久性が意外に短いとされています。常にリニューアルなどの出資が必要になります。修繕費用の予算は多めに見ておく必要があります。

【飲食サービス】

キャンプ場と異なり、飲食サービスは腕前の良いシェフによる料理の提供が求められます。地元の食材の選定からファイヤーピットを使っての調理まで、味だけでなく魅せる料理が提供できるとなお素晴らしいです。
手ぶらでBBQというのがグランピングのもう1つの楽しみになります。

【その他の施設】

温浴施設(温泉、足湯、SPA、ジャグジー)やジョギングや散歩、ノルディックウォーキングなどのできる遊歩道の整備が望ましい。また野鳥や渡り鳥の観察小屋や星を眺めるウッドデッキやアドリエがかける施設など東屋などがあると充実してきます。

【開発申請、建築確認、施設・営業に関連する法令の確認】

土地が宅地でない場合には、都道府県の開発許可申請で用途変更を行ない、山林から宅地に変える必要があります。また敷地面積の制限によっては申請が1年近くかかるケースもあり注意が必要になります。

また建築確認申請や消防法がかかってくるので、各行政機関の事前協議をすることを推奨します。
旅館業法などの宿泊関連のみならず、飲食や温浴など宿泊施設の展開には法令や条例が多いため地域の建築設計事務所、不動産業者への相談も必要になります。

コンプライアンスを遵守する姿勢が望まれます。ただし、食事の実費程度だけを徴収して宿泊するような山小屋のような施設は該当しない例外もあります。 

3 グランピング運営シュミレーション

シュミレーション

3-1グランピング開業までのスケジュール(15~20ヶ月)

基本構想(3~6ヶ月)・・・土地については、単なる不動産の売買とは異なり、土地活用事業に関するコンサルティングの業務ノウハウが求められます。経験豊富な業者とのチャネルが不可欠となります。

  • 予算希望条件の提示
  • 不動産屋土地探し現地視察
  • 損益資料作成

基本計画(3ヶ月)

低コストで高性能な建物を建築することが事業性の基本となります。

  • 事業計画案作成
  • 金融機関、投資家と融資相談
  • 設計施工業者の選定
  • 基本設計図の作成
  • 行政機関への許認可手続きの事前相談

実施設計(3ヶ月)

  • 金融機関への融資申し込み
  • 実施設計書のチェック
  • 建築費見積書のチェック
  • 建築請負契約の締結
  • 開発申請、建築確認申請
  • 資材、家具、備品の調達手配

建築工事(6~8ヶ月)

  • 家具、備品、用品の購入
  • 営業許可申請
  • 開業計画案の作成、事前PR
  • 支配人の選定と実務研修
  • 看板、装飾品、印刷物の手配
  • 建物竣工営業許可の取得

3-2事業運営・ビジネスモデル

運営体制の構築

総務、広告宣伝、経理、営業、管理などの業務とアルバイトが必要になります。

*グランピングの求人に関してのポイントは『グランピング施設を運営する際、効率的に求人を集める方法とは?』で詳しく説明しています。

事業の性質上、繁忙期と閑散期の差が激しい点と業務内容によって繁忙期にずれがあることが挙げられます。 新規施設をオープンする時期としては、夏休み直前よりも運営上のリスクが大きいので、GW直前は避けたほうが良いと考えられます。

繁忙期の夏に向けてのアルバイト募集のための総務管理やWEB広告の作成、シーズンに向けての企画営業など業務も多忙になってきます。他のサービス業同様にサービスの質を落とすことなく、最小の人員でいかに事業を継続していけるかが大事なポイントになります。

3-3全体の事業計画

事業計画

3-3-1初期費用

総事業費は土地の取得や建物の建設(不動産の取得)など、事業を始めるにあたりかかる総費用になります。

施設を作るには、土地の造成から土工事また1次側インフラ設備工事、車両動線や歩廊、自然景観上の植栽の配置など、敷地面積に応じたそれなりの初期建設費用が発生します。この外に事業開始にかかる創業費や金利、火災保険料なども重要になります。

また建築費の予備費としては1.2倍くらいの予算計上をしておくと安心でしょう。

事業資金=総事業費(土地取得代+工事費等+消費税)+創業費

<総費用に含まれる項目>

建築費、設計料、測量、地質調査費用、企画量、測量地質調査費用、企画料、消費税、印紙代、不動産取得税、火災保険料、消防設備点検費、金利、予備費など。

事業資金調達には自己資金と借入金の2つがあります。自己資金は初期投資の10~20%を用意していくことをお勧めします。残りの資金調達は金融機関や投資家から借り入れを行ないます。

3-3-2売上

一般的なリゾートホテルの稼働率は30%に対し、グランピング事業の稼働率は50%くらいになり、グランピングは売上貢献度の高い投資になります。宿泊料と飲食費用などが売上に計上されます。

3-3-3費用

管理者、スタッフの人件費と広告宣伝費、修繕積立金が主になります。他には水道光熱費などの設備利用料がかかります。

3-3-4不動産と関係のある税金

土地や建物などの不動産と税金の関係は次のようになります。

【不動産購入時】

工事請負契約や管理委託契約などいくつもの契約書を交わす際に必要となる印紙税(国税)があります。新しい建物を取得すると、不動産取得税(都道府県税)の納税通知書が送られてきます。

不動産取得税・・・土地価格×1/2×税率3%
消費税、地方消費税があります。

【不動産を保有している場合】

新しい建物を完成した翌年からは、土地だけでなく建物にも固定資産税や都市計画税がかかってくることになります。

土地や建物を所有していると毎年1月1日時点に保有する固定資産(土地・家屋・償却資産)に対し、その所在地の市町村において、地方税法の規定により固定資産課課税台帳に登録されている課税標準額に標準税率の固定資産税がかけられます。

固定資産税(土地・家屋)・・・課税標準額×税率1.4%
(一括または4月、7月、12月、翌2月の年4回に分けて納付します。)
※課税標準は、各市町村が定めた固定資産税評価額に一定の調整を加えた価格になります。 
※3年に1度評価の見直し有り

固定資産税(償却資産)・・・課税標準額(価格)×税率=税額
 価格(評価額)=取得金額×(1-減価率/2)

また都市計画施行地内の土地および家屋に対しては、別に0.3%(制限税率)で都市計画税が課税されます。

都市計画税・・・課税標準額×税率0.3%(市街化区域内のみ)

事業所税は1000㎡を超える事業所床面積を使用して事業を行なっている場合のみ(東京都特別区、政令指定都市及び人口30万人以上の市等において課税されます。)

事業所税・・・事業所床面積×税率600円
税金については税理士や不動産屋、専門家への相談が必要になります。
減価償却費・・・実際に支払われるものではなく、会計上の費用から収益から控除されます。

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