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工事現場
2017/08/02

担当者必見!工事現場の生産性を上げる電子黒板│導入のノウハウ

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1 工事の生産性を上げる電子黒板

猛暑が続き、いっそう日に焼けてくる季節となりました。

最近では国交省直轄工事で電子黒板の使用が認められ、地方自治体でも既に1/3以上が電子黒板の使用を認めるようになりました。電子黒板の活用による工事現場の業務効率化が一般的になりつつあると言えます。


1-1電子黒板のメリット

国交省直轄工事での電子黒板利用は平成29年2月公示分より可能となりました。

一昔前、銀塩カメラに替わってデジタルカメラが普及したことに伴い、国交省が「デジタル写真管理情報基準(案)」を公開しました。以来、約11年が経ち、工事写真の撮影にデジタルカメラを利用することが当たり前となりました。

同じように今、ITの普及に伴い電子黒板の活用は成長期を迎えています。

広く知られていますが、「電子黒板のメリット」をまとめると「人員」「安全」「事務作業」がキーワードになります。電子黒板の導入で大きく3つの恩恵があります。

①撮影にかかる人員が削減される。
②狭い場所や高所への黒板持込が不要となる。
③写真台帳の文章を書く手間が削減される。

電子黒板の機能をもつアプリケーションやソフト(以降、アプリケーションと統一します)はほとんどの場合、写真整理もしくは台帳作成の機能を兼ね備えています。工事写真の撮影だけではなく納品までをサポートしてくれます。

また、公共工事でアプリケーションを使用する場合、画像データ改ざん防止のロジックが必要になることが大きな特徴となりますが、対応しているアプリケーションも一覧で公開されています。

改ざん防止の仕組みについては『画像改ざんを防止する仕組み│電子黒板で業務効率化』で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。


1-2電子黒板が普及している理由とは?

電子黒板を必要としている建設業*日経アーキテクチュア 「リアル版を来週開催!3次元で建設業に“産業革命”を起こそう」(日本土木工業協会「建設業ハンドブック」より)

 

上のグラフは建設業の労働生産性を表したものです。90年代に製造業などの生産性が上がってきた一方で、建設業の生産性は上昇していません。建設業が主に受注生産であることや、機械化が難しいという観点もありますが、他の業種に比べIT活用の進みが遅いことも要因の一つと考えられます。

昨今では政府主導で生産性向上が推奨されていますが、必要書類の増加や品質向上のため現場の負担が増える一方です。そこで「減らせる手間は可能な限り減らしたい」というのが多くの建設就業者の思いです。

特にITを用いた安全書類共有システムのように「オフィスワーカーによる現場支援で現場の負担を減らす仕組み」は現場作業員の残業を削減する有効な手段となります。工事写真の整理においても同様の取り組みを始めている企業は少なくありません。


1-3電子黒板は万能ではない

現場の負担を減らすメリットがある一方で電子黒板が苦手とする面もあります。

一つは手書きに比べ電子黒板は入力は遅い、という点です。これまで慣れてきたチョーク書きとタッチパネルでは文字を入力する時間にはどうしても差が出てきます。

2つ目は、図面などの複雑な豆図を盛り込みづらい点です。その他にも”文字の大きさを調整しづらい”などのデメリットもあります。ただ、アプリによっては設定で細かく調整できるため、大きくは前述の2点となります。

それでは「入力の遅さ」「豆図の入力」はあきらめなければいけないでしょうか。

そんなことはありません。「入力の遅さ」については、履歴機能や事前準備の機能が備わったものもあり、アプリを使えば使うほど入力の遅さは低減できます。また、豆図についても電子黒板内に画像を取り込んだり、フリーハンドの機能などで補填することができます。

それでも100%をカバーできるとは限りません。そもそも元請指定の黒板を使用しなければならないケースなど、電子黒板は従来の手書き黒板と併用するケースが多々あります。逆に言えば、電子黒板アプリは、電子黒板を利用してもしなくても操作性が変らないないものが望ましいと言えます。


1-4使いこなせれば電子黒板はやめられない

電子黒板導入の成功か失敗か


電子黒板のメリットは総合的に考えればデメリットを凌駕する場合がほとんどですが、現場からすると頭では分かっていても気持ちが追いつかないことが往々にあります。従来のやり方を変えるのが非常に億劫ということです。この問題を無視してアプリの導入を進めた場合、最悪、導入したは良いが誰も使っていない、もしくは現場の負担が増えただけで渋々アプリを使っているという事態になりかねません。

一度アプリを使いこなせれば電子黒板は手放せないものになりますが、提案型のシステムやアプリケーションは一般的に、導入後の初回操作から使いこなしてもらうまでのプロセスが最も困難です。

アプリを使いこなしてもらうには、現場の業務方法と考え方を変える必要があります

考え方を変える一例を挙げます。電子黒板に入力された情報で工事写真を整理する機能を活用する場合です。手作業での写真整理はなくなりますが代わりに電子黒板への入力内容を統一する運用が必要になります。例えば同じ工種でも人によって呼称が異なる場合、後々を考えて工種名を統一しておこうということです。「工事写真は撮影後に整理する」という考え方から「工事写真の整理は撮影前から準備する」という考え方へシフトしてもらう必要があります。

このように意識を変えてもらうことは、後述する要点を抑えて取り組めば難しいものではありません。意識さえ代われば現場としてはデメリットとメリットを俯瞰して比べることができます。アプリに慣れるという面倒な作業にも進んで取り組んでもらえます。


2”写真台帳の共同編集”で更なる働き方改革

2-1台帳の共同編集とは

写真台帳の共同編集

電子黒板のメリットの一つとして、「写真台帳への自動転記」を紹介しました。写真台帳作成の手間が削減されるという利点ですが、更に効率化できる方法があります。

写真台帳を複数人で作成・編集する方法です。例えば「現場」が工事写真の撮影と黒板の記入を担当し、「オフィス」が写真台帳の確認・整理・添削を担当するやり方です。安全書類共有システムと同じような業務分担が可能となります。

2-2共同編集のメリット

写真台帳の作成も業務分担できれば、現場の負担を平準化することができます。

加えて写真台帳を自動作成(またはアルバムで自動整理)できる基盤があれば、納品までのコミュニケーションはよりスムーズなものとなります。

データ共有方法はどうでしょうか。エクセルに画像を貼付けてメールするでしょうか。これだと現場の負担が増えます。そこでクラウドの仕組みを活用します。

電子黒板アプリにはクラウドストレージ機能を備えているものも多く、撮影したその瞬間にリアルタイムに共有できます。現場に戻ってもう一度撮影なんてことはありません。

このような要点をカバーして現場に提供できるかが、アプリケーション導入にはとても大事なポイントになります。

クラウドの仕組みについては『工事写真を簡単に整理!フリーソフト活用術』で詳しく紹介しています。こちらも参考にしてみてください。

 

3 電子黒板を導入する際の要点。3つ

電子黒板導入時の注意点

3-1アプリの安全性

電子黒板のアプリケーション導入を検討される方は、自社のデータ漏洩を防ぐため以下のポイントも抑えておく必要があります。特にクラウドサービスの場合はネットワークが絡んでくるため注意が必要です。

写真データの保存先

クラウドシステムのデータ保存先は世界中のどこかに設置されているサーバーとなります。バックアップ機能はサーバーを複数設置してリスクを下げる措置の一つです。

  • バックアップ機能の有無
  • 障害発生時にバックアップデータを復元するまでの期間

アプリケーションの稼働率

アプリケーションが停止することは限りなく0に近いとしても必ずしも0とは限りません。業務に重大な支障が出ないか確認しておきましょう。

  • サービスが停止する確率
  • 撮影機能とクラウドストレージ機能の独立性
  • サービス停止から復旧までの期間

ネットワークのセキュリティ

セキュリティに加えて、データ通信量についても確認しておきましょう。月末を待たずに通信量が上限に達した場合、運用が回らなくなります。

  • 通信データの暗号化
  • 想定されるデータ通信量

3-2現場は口コミで広がる

アプリの安全性に問題がないことを確認できれば導入のステップへ進むことができます。ここで現場の方に導入の前段階から関わってもらうと良いでしょう。味方になってもらうのです。

味方とはプロジェクトメンバーになってもらうことではなく、あくまでも実際に現場で業務をしてもらうことを指します。1人か2人、担当者が個人的に話をするでも構いませんし、その方の上司を通してお願いするも良いかもしれません。何かを手伝ってもらう訳でもありません。実際に現場で作業されている方に”アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)"として味方になってもらうのです。事前に目的と操作感を丁寧に説明し「是非試してみて下さい」とお願いします。

その人がアプリを使っている姿を見れば、他の人も使ってみようと思えますし、操作で分からないことは直接聞けます。例えばアプリ導入時には説明会を開くのが一般的ですが、1度の説明でアプリの導入目的や操作を全員に理解してもらうのは難しいことです。

ターゲットを絞って広げていくことのメリットは、マーケティングも社内展開も変わらないと言えます。

 

3-3現場に負担があってはならない

現場に負担のないアプリ導入

いくらアプリケーションが優秀でも使いづらければ意味がありません。ただでさえ初めて操作することはエネルギーが必要なのに、2回3回と操作が分からないと元の運用に戻ってしまいがちです。分厚いマニュアルを読む時間は現場にはありません。

出来る限り機能はシンプルで、直感的に操作できるアプリケーションをお勧めします。

『現場写真をすぐに整理│無料のアプリで台帳を自動作成』も合わせてご覧下さい。

 

4 電子黒板導入のシュミレーション

費用のシミュレーション

4-1初期費用

パッケージソフトの場合、一般的に初期費用が発生します。また新たに機械が必要となるか確認も必要です。月額費用のみで初期費用が発生しないクラウドサービスもあります。

  • パッケージライセンス費用:1人(台)あたりの料金 × 人数 etc
  • ハード購入費用:1台あたりの料金 × 台数
  • クラウドサービスの場合、初期費用が発生しないものも有る。

4-2ランニング費用

初期導入費用に加えて保守メンテナンス料という形でランニングコストが発生するサービスが多いです。月額なのか年契約なのかによって費用が変ってくることもあります。

  • 保守メンテナンス費用:ライセンス費用の○○%などの月(年)額単価×契約期間
  • 初期導入費用が発生しない場合「月額サービス費用×契約期間」という形態が多い。

4-3費用対効果

電子黒板の費用対効果

業務改善による効果あるいは部分的に新たに発生する業務はチャージで計算すると良いでしょう。

「アプリ導入にかかる費用(+追加で発生する業務にかかる費用)」と「業務改善による削減費用」の比較が損益分岐計算となります。

<効果金額の計算例>
業務改善による現場作業員の削減時間/月 × チャージ × 人数

<費用の計算例>
アプリ導入にかかるランニング費用/月+ 追加で発生する業務時間/月 × チャージ × 人数

<損益分岐点の計算>
損益分岐点 = アプリ導入にかかる初期費用 / (効果金額 ー 費用)
 

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