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土木
2019/12/02

コンクリート水路が劣化した際に簡単に補修対応が可能なアイテムとは

高谷裕美
MakMaxプラス

日本はモンスーンアジアの東端に位置し、年平均1718mmの降水量があります。これは世界平均(880mm)の約2倍に相当し「多雨の気候」と言えます。そして、日本人の主食である米を収穫する水稲耕作は大量の水を必要とします。

そのため、多くの地域で水路工事の取り組みが継続的に実施されています。その反面、時と共に水路は必ず劣化をしていきます。

今回は、コンクリートの水路における劣化と、その際の対策についてご説明していきます。

 

 

コンクリート水路の劣化

コンクリート水路の劣化要因は①内的要因と②外的要因の二つに分類できます。

内的要因

内的要因とは材料・設計・施工などに起因するものです。コンクリートはセメントと骨材と水で形成されており、設計ではセメントの配合・仕上げ・かぶり・目地構造などを決定しますが、その設計によって劣化速度が変わってきます。施工年代ごとの設計基準やセメント材料の品質、施工方法そのものの変化もまた、劣化速度に影響します。

プラントから現場へはミキサー車で運搬しますが、プラントからの距離を考慮したり、プラントで混ぜ合わせたコンクリートが運搬中に分離しないよう気を使っています。

施工に関しては、十分な締固めがなされていないことや養生が不十分なことが打設後の劣化要因となりますので、各社注意して施工に取り組んでいます。固まる前のコンクリートはセメントミルクと呼ばれ、型枠の中全てに均一に行き渡るように流動させて形どおりに仕上げています。

 

外的要因

外的要因は、水路の置かれている環境に伴うものです。気温・温度・水分・日射量などの自然条件のほか、海から飛来する塩分、また凍結防止剤散布の影響など地域性に由来します。このようにコンクリートは人的要因の他に温度や水分浸透、凍害、化学反応など様々な要因で劣化してしまいます。

劣化によってコンクリート部分に収縮やひび割れが頻発するようになると、さらに流水の浸食作用が加わってどんどん摩耗していきます。そのため、水路には頻繁な保護工事が必要となり、これを怠ると浸水や漏水などが発生してしまう原因ともなります。しかし、その一方コンクリートで新たに水路を作り直すのは多大なコストと手間がかかってしまいます。この問題を解決策となるのが「コンクリートキャンバス」です。

 

劣化したコンクリート水路の補修が大変な理由

表面が劣化したコンクリートは一般的に、水を抜いた後、上からコンクリートを塗りつけてヘラで均等にならします。これを左官仕上げと呼び、新たにコンクリート面作ったり、樹脂塗装や、樹脂版を貼り付けたりします。

また、劣化においては、表面以外にも、コンクリート同士の打ち継ぎ目に隙間ができて漏水が発生します。左官仕上げはあくまでも表面への対応なので、打ち継ぎ目に対しては有効ではありません。水路としての価値を保つためには、目地部分に上からテープを貼ったり、劣化がひどい場合には水路を一度取り壊し、作り直すことになります。

表面と目地の劣化は同時に発生するものの、別々の施工となりますので手配に負担がかかり、どうせならと水路を作り直す結論に至るケースが少なくありません。

ただし、「コンクリートキャンバス」という補修部材は、表面と目地の劣化に対して、同時に対応できます。施工も簡単かつ一度で済みますので劣化したコンクリート水路の補修に対して広く使われています。

 

「コンクリートキャンバス」とは

「コンクリートキャンバス」は現状の水路の上に新品のコンクリート水路を構築できます。

劣化した水路の上に簡単に新しい水路を構築

コンクリートキャンバスの構成は、水分を加えれば硬化する「コンクリート」と「キャンバス(布地)」の複合です。布とコンクリートの性質を併せ持ち、用水路や放水路などの全ての開水路工事に力を発揮します。

上述のように水路の表面と継ぎ目の補修に対して1度の施工で簡単に対応できるのは、施工性、耐久性、柔軟性という3つの大きな特長を持つからです。

まず施工性ですが、コンクリートキャンバスは1本で約70kg程度。現場での裁断も自在に行えるため、重機が入らないようなエリアでも人力で運搬・設置が可能です。そのため、プラントの設置や重機確保の手間とコストが削減されます。

耐久性においては、紫外線劣化にも十分な対候性を保持しています。英国規格の耐候性試験で、少なくとも50年の屋外環境に対応できることが確認されております。

そして、コンクリートキャンバスは硬化が始まるまでは布地の性質をもっており、複雑な形状の地盤にも追従します。カッターナイフでの切断が可能なため現場に合わせた細かな調整も可能です。縦横に変化点のある水路でも、その柔軟性により自由にコンクリート被覆することが可能です。

以上の特長から、コンクリートキャンバスは、劣化した既設水路の上に簡単に新たなコンクリート面を構築することができます。厚さも5mmや8mmと非常に薄いため、水路の断面に大きな影響を与えません。もしも厚い層を新設してしまうと、水路内部のコの字の面積が圧迫され、水を流せる量が大幅に小さくなってしまいますが、これを避けることができます。

 

コンクリートキャンバスの用途と利用事例

コンクリートキャンバスは、既設水路の補修以外にも堰堤(えんてい)保護や管路保護でも力を発揮しています。

例えば堰堤保護では、石油施設においてオイルが漏れないよう設置されている土手をコンクリートキャンバスで保護しています。管路保護では、光ファイバーを包む樹脂の管が踏まれて割れないよう固いコンクリートキャンバスで周りを覆って保護しています。その施工性、耐久性、柔軟性は水路に限らず水利に関係する工事全般への有用性が高く、様々な水利施設を守っています。

コンクリートキャンバスは既に日本国内47すべての都道府県内でご採用をいただいており、北海道では自衛隊における大演習場の定期整備や、静岡県では自治体の水路工事などの実績があります。これらはコンクリートキャンバスが厳しい採用基準をクリアしていることを示すものであり、その有用性の一つの証です。

※コンクリートキャンバスの実績はこちら(公式ホームページ)

コンクリートキャンバスは仮設水路でも有用

また、コンクリートキャンバスは現場打ちコンクリートに比べて環境に優しい用材で、①大型の重機を用いないためCO2の排出量を削減でき、②施工時にコンクリートが流出することがなく、③遊離アルカリが少ない、という3つの特長を併せ持ちます。

 

まとめ

手軽に利用ができるコンクリートキャンバスは低コスト、またその耐久性によって水路工事に力を発揮します。自衛隊や地方公共団体をはじめとした様々な導入事例についても詳しくご紹介してありますので、ぜひ弊社の公式ホームページをご覧ください。

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