TOP > MakMaxプラス > 土木 > 【水害復旧事例】水をかけるだけでコンクリート面をつくる”膜”とは
土木
2020/06/04

【水害復旧事例】水をかけるだけでコンクリート面をつくる”膜”とは

高谷裕美
MakMaxプラス

日本では毎年台風や豪雨が発生し、ときには大きな爪痕を残します。とくに河川や水路、山道が被害を受けやすく、場合によってはコンクリートを用いた補修などの大規模な工事が必要になり、担当行政がその対応に頭を悩ませています。

台風や豪雨による被害は生活に直結していることが多く、故に災害復旧対応は急を要します。しかしながら、コンクリート2次製品を用いた工事は時間がかかったり、大型重機が必要だったり、専門技術を持った作業員が必要だったりと、スピード感のある対応が難しいという場合があります。

この課題を解決するのが、水をかけるだけでコンクリート面をつくる”膜”、『コンクリートキャンバス』です。

  • 短納期
  • 大型重機不要
  • 専門技術不要

で、コンクリート面をつくることができ、迅速な補修工事を可能にします。

この記事では、コンクリートキャンバスの性能と実際に活用された事例を詳しく紹介します。特に行政の土木事業担当の方や、交通関係事業者の方のお役に立つ内容です。台風・豪雨シーズンの到来の前に、ぜひご覧ください。

 

 

コンクリートキャンバスとは?

コンクリートキャンバスは、英国で開発された『コンクリートと布地と遮水材の複合材料』です。厚さ5mm~13mmの薄い布地を地面に敷設して水をかけるだけで、耐久性・水密性・耐火性に優れたコンクリート面をつくることができます。また、海水/淡水を問わず水中でも使用できます。構造としては、特殊配合のドライコンクリートを繊維マトリクス織編物(表面)とPVCシート(裏面)で挟んだ構造をしています。

これまでコンクリート工事の課題だった以下の点を解消し、

  • 時間がかかる
  • 大型重機が必要
  • 専門技術を持った作業員が必要

台風被害対応などの急を要するシーンで迅速な補修を実現できるとして、多くの行政で採用されています。

コンクリートキャンバスの概要を2分間にまとめた動画がありますので、ご覧ください。

 

コンクリートキャンバスの4つの特徴

コンクリートキャンバスには、高い施工性・耐久性・環境性・耐火性という4つの特徴があります。

 

特徴1:高い施工性

コンクリート面をつくるのに必要なのは、コンクリートキャンバスと水だけです。

布地をロール状にした状態で運搬が可能なためミキサー車などの大型重機も必要なく、計量や練混ぜも不要で水量過剰となる心配もないため特殊な専門技能を持った作業員も必要ありません。

また、硬化前は柔軟性に優れた布状であるため複雑な形状にも対応し、雨天時や水中でも施工できるようになっています。

人力で運搬可能な「バッチロール」と、重機による大規模高速施工が可能な「バルクロール」があります。

 

特徴2:耐久性

コンクリートキャンバスの材料は耐化学性と耐候性を有しており、紫外線による劣化もありません。また、一般的なコンクリートの約2倍の耐摩耗性を持ち、英国の促進劣化試験では、50年以上の寿命を示しました。この試験で、コンクリートキャンバスは200回の凍結融解の繰り返しにも耐えています。

 

特徴3:環境性

コンクリートキャンバスはすり減り量が少ないという特徴があり、以下のような環境性を発揮します。

CO2の削減

コンクリートキャンバスは、一般的な建設計画であれば材料を約95%節約できます。 材料を節約することはすなわち、道路輸送や現場で要する時間も削減することに直結するため、建設作業におけるCO2排出の総量を削減することができます。

流出が少ない

水中の流出試験において、一般的なコンクリートが10~15%の質量低下を示していた中、コンクリートキャンバスはわずか3%程度の質量低下しか認められませんでした。流出が少なく打設も不要なことから、材料の必要量を大幅に削減することができます。

遊離アルカリが少ない

コンクリートキャンバスは、遊離アルカリ量が少ない特殊な早強コンクリートを使用しています。 一般的なコンクリートのように刺激物には分類されず、環境への害が少ない製品です。

緑化

コンクリートキャンバスは、表面の繊維面が非処理のため目が粗く、時間が経つにつれて苔が生育し、自然に河川や山道に馴染む「緑色」になります。

 

特徴4:防火性

コンクリートキャンバスは優れた耐熱性能を持ち、用途によっては防火層としても使用することができます。BS EN 13501の火炎反応試験により、ユーロクラスBを達成しているほか、米国の鉱山安全衛生庁(MSHA)により30CFRパート7第B節セクション7.24 を満たしているとの承認も受けています。

炎が表面にひろがらないため、煙の発生を低く抑えると共に、有害ガスの放出を最小限に抑えます。

 

コンクリートキャンバスの用途

簡単な施工で、柔軟に、迅速にコンクリート面をつくれるコンクリートキャンバスは、様々な目的・場面で活用することができます。以下にその一例を示します。

災害復旧(土のう被覆)

侵食防止(表面保護)

水路維持・拡張

水路工

防草

法面保護

コンクリート補修

吐出口/余水吐け

しゃかご保護

 

コンクリートキャンバスの導入事例紹介

コンクリートキャンバスは、その性能から各地で既に採用の実績があり、中にはその優れた効果に対して感謝状が送られたケースもあります。以下に一例を紹介します。

倉敷市の末政川堤防決壊応急復旧(真備町)の例

2018年の夏、いわゆる「西日本豪雨」により、岡山県倉敷市真備町は大きな被害を受けました。

末政川の両岸が崩壊し、町に浸水。迅速な復旧対応が求められ、被害を最小限に食い止めるために約2週間で仮復旧を完了させる必要がありました。

ところが以下のような課題があり、対応は容易ではありませんでした。

  • 付近一帯が被災地であり、余力のある施工業者がいない。
  • 当初計画の布製型枠によるコンクリート面構築では1ヵ月以上かかり、間に合わない。
  • 特殊施工を行える作業員を確保できない。

そこで即決採用されたのがコンクリートキャンバスでした。7月26日に着工した工事は8月3日の夕方には完工し、きわめて短工期かつ限られたリソースで、必要な仮復旧の完了を実現しました。

このコンクリートキャンバスの大きな成果は岡山県から評価されました。

施主 岡山県庁
所在地 岡山県倉敷市
用途 土のう被覆
規模 4,500平米

他にも、以下のような導入事例があります。

青森県天間林土地改良区 農地老朽化水路補修工事

施主 天間林土地改良区
所在地 青森県十和田市
用途 水路補修
規模 390平米

東北自動車道 十和田管内小段排水溝改良工事

施主 東日本高速道路株式会社
所在地 秋田県鹿角市
用途 水路嵩上
規模 585平米

光の森駅構内に伴う除草防草工事

施主 九州旅客鉄道株式会社
所在地 熊本県熊本市
用途 防草
規模 520平米

中央自動車道南沢橋排水管等補修工事

施主 東日本高速道路株式会社
所在地 山梨県韮崎市
用途 水路補修
規模 90平米

平成28年度 中央自動車道 中津川IC~園原IC間維持修繕工事

施主 中日本高速道路株式会社
所在地 岐阜県中津川市
用途 防草
規模 100平米

横浜線古淵~淵野辺27k500m~27k760m防草工事

施主 東日本旅客鉄道株式会社
所在地 神奈川県相模原市
用途 防草
規模 900平米

北西道路工事用道路撤去復旧周辺整備工事

施主 和歌山河川国道事務所
所在地 和歌山県和歌山市
用途 水路ライニング
規模 600平米

 

まとめ

コンクリート工事は災害復旧には欠かせないものでありながら、以下のような課題のため、場面によっては必ずしも実施が容易でないことがあります。

  • 打設工事に時間がかかる
  • 大型重機が必要
  • 専門の技能を持った作業員が必要

コンクリートキャンバスならこれらの課題を解決し、迅速で柔軟なコンクリート工事を可能にします。

台風や豪雨の災害復旧、水路や法面保護、防草に、検討してみてはいかがでしょうか。

コンクリートキャンバスについての詳しい資料請求や問い合わせなどは、以下のリンクからご確認いただけます。

>>太陽工業「コンクリートキャンバス」

>>お問い合わせはこちら

関連記事