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土木
2020/06/09

【大型土のう不要の土留工】狭小現場で土砂災害の応急復旧を行う方法 │ 活用事例

高谷裕美
MakMaxプラス

とりわけ梅雨の時期は雨が多く、毎年晩夏から秋にかけては台風シーズンとなるのが日本の気候です。豪雨や台風の影響で小規模な土砂崩れは日常的に発生しており、市区町村などの地方行政がこれに対応しています。

土砂災害の応急復旧では、一般的に土留工に大型土のうやじゃかごが使われますが、以下のような課題があり、市区町村は日々、対応に迫られています。

  • 狭小地では運搬や設置のための大型重機が進入できず、コストもかかる
  • 現地発生土を活用したいが、大型土のうでは現地発生土が使用できないことがある
  • 特殊な技能を持つ熟練工が必要になる
  • 耐久性が低く、頻繁に修繕や補強が必要になる

これらの課題を解決する方法として、『連続箱型鋼製枠』を用いた土留工があります。本記事では事例を複数掲載しますので、是非、参考にしてみてください。記事の最後には『連続箱型鋼製枠』に関する問い合わせ先も記載します。

 

 

連続箱型鋼製枠とは

ここで紹介する事例では、すべて連続箱型鋼製枠を採用しています。

連続箱型鋼製枠は、亜鉛メッキ鉄線製の格子状のパネルをコイル連結したカゴ(鋼製枠)を複数接続した構造で、分割・延長・屈曲させて設置できます。鋼製枠の内側に不織布を張り、現地発生土や砕石、栗石等を中詰めすることで、連続した土堤を簡単・迅速に構築でき、土留め、堤防嵩上げ工、仮締切工等に使用できます。

 

連続箱型鋼製枠『マックスウォール』の概要と特徴

マックスウォールは、亜鉛メッキ鉄線製の格子状のパネルを使用しているため、10年程度の使用に耐える耐久性があり、長期間にわたる仮設工にも適しています。

このような高耐久や、中詰め材を選ばない特徴から、東日本大震災の被災地においては、砕石などの資材が不足し、現地発生土や瓦礫をリサイクルしたコンクリートガラなどを使用し、仮設土堤や盛土嵩上げの土留として導入され、海岸部で設置された実績があります。

その優れた特徴を以下、紹介していきます。

 

特徴1:安定性が高い

仮設工によく用いられる大型土のうは連結しておらず一体性がないため、外力に弱く、一カ所に荷重が集中すると倒れてしまうなど不安定な面があります。連続した鋼製枠のマックスウォールは、大型土のうの4倍以上の外力(約16kN)に耐えることができ、高い安定性を発揮します。

 

特徴2:土砂の連続性による止水性の確保

内側の枠(下図の赤枠部分)には不織布が貼られておらず、土砂などの中詰め材が連続することによって、大型土のうでは実現できない高い止水性能を確保することができます。

 

特徴3:耐久性が高く、長期仮設としても使用可能

大型土のうは約半年~3年程度が使用限度であるのに対し、マックスウォールは陸上・土中で10年以上、海水飛沫地域で5年程度の耐久性があります。 東日本大震災では、海岸部において護岸工や土留工として長期間仮設工として利用されました。

 

特徴4:中詰め材を選ばず、土砂・砕石・現地発生土などの充填も可能

土砂に限らず砕石や栗石なども使用でき、また、コンクリートの残存型枠としても利用できます。

 

特徴5:段積み・分割・延長・屈曲可能

標準サイズ(1ユニット)は、1m立法の鋼製枠(セル)が10個連続した構造ですが、これを自由に分割・延長・屈曲させることができるため、施工規模や現場状況を選びません。また、段積みも可能で、現地の形状に柔軟に対応できます。

 

特徴6:従来の大型土のうと比べて25%の工期短縮可能

熟練工を必要とせず、5名で1日約40mの設置が可能です。これは、大型土のうと比べ約25%の工期短縮になります。

 

マックスウォールの性能を動画で確認

実際にマックスウォールを設置する様子を、動画で見ることができます。

 

土砂災害の応急復旧における事例

小規模土砂崩れの復旧工法として、実際に連続箱型鋼製枠『マックスウォール』が用いられた事例を紹介します。

大阪府茨木市の道路維持工事

このケースでは、災害復旧工事の一環として山間の林道拡幅を検討していましたが、現場が狭いためにクレーン車などの大型重機を乗り入れることができず、大型土のうを運び込めないという課題に直面していました。

そこで、コンパクトに運べて現地で展開できるという高い施工性を持ち、現場形状に併せて柔軟に加工することも可能なマックスウォールが採用されました。 さらにここでは、雨水が山側水路を越水してマックスウォール部に流れ込んで中詰材が流失する恐れがあったため、上部に遮水シートを敷設する・塩ビ管を設置して背面からの湧水を排水する・水平排水材を敷設するという追加措置も行っています。

施主 茨木市役所
施工場所 大阪府茨木市
現場状況 山間
使用タイプ MW-1000(延長10m /基,高さ1m)
中詰材料 購入土(砕石)
使用数量 8基(80m)
設置段数 6段
施工時期 平成28年4月
施工時間 3日程度

 

仙台市泉松稜小学校法面修繕工事(2019年台風19号災害)

施主 仙台市役所河川課
施工場所 宮城県仙台市
使用タイプ MW1350
使用数量 6m
施工時期 令和元年12月
施工目的 法面修繕

 

上天草市災害復旧現場

施主 上天草市
施工場所 熊本県上天草市
使用タイプ MW-1000(延長10m /基,高さ1m)
使用数量 30m
施工目的 仮設土留

 

町道宇妻鳴決線 災害復旧工事

施主 群馬県中之条役場
施工場所 群馬県吾妻郡中之条町大字
使用タイプ MW-1000(延長10m /基,高さ1m)
使用数量 3基
施工時期 令和2年3月
施工目的 土留め工

 

和歌山県台風災害復旧工事

施主 田辺市役所
施工場所 和歌山県田辺市
使用タイプ LB-10
使用数量 30m
施工時期 平成23年11月
施工目的 災害復旧(道路)

 

和歌山林道蔭地線復旧工事

施主 和歌山県田辺市役所
施工場所 和歌山県田辺市中辺路町内
使用タイプ Ⅰ型
中詰材料 土砂(現地発生土)
使用数量 60m
施工時期 平成23年10月
施工目的 災害復旧(林道)

 

吉野郡吉野町災害復旧工事

施主 奈良県南部農林振興事務所
施工場所 奈良県吉野郡大淀町
使用タイプ MW-1000(延長10m /基,高さ1m)
使用数量 60m
施工時期 平成29年11月
施工目的 災害復旧土留壁

 

和歌山県林道災害復旧工事

施主 大塔行政局
施工場所 和歌山県田辺市
使用タイプ LB-10
使用数量 20m
施工時期 平成25年11月
施工目的 林道土留め工

 

連続箱型鋼製枠に関する問い合わせ

従来の課題を解消する護岸工の新たな選択肢として、連続箱型鋼製枠『マックスウォール』を用いた方法をご紹介しました。

マックスウォールは仮設資材でありながら長期の使用に耐え、工期を短縮できます。そのうえ、特殊技能工や熟練工も必要としないことから全体でのコストを削減できる優れた工法です。

毎年必ず発生する台風による洪水被害への対策として、特に地方自治体で多くの採用実績があります。 マックスウォールについてさらに詳しく知りたい方、担当者への問い合わせを希望される方は、以下のリンクへアクセスしてください。

>>太陽工業株式会社 連続箱型鋼製枠 「マックスウォール」

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