コールドチェーン物流が最適化‼︎真空断熱材を使用した高性能の業務用保冷ボックス(バッグ)
小崎竜仁1.今求められるコールドチェーンの姿
*参照元:一般財団法人 日本冷凍食品協会 2017年4月20日 統計速報資料
冷凍食品の消費量は年々増加傾向にあります。
特に冷凍食品の国内生産量は昭和の終わりころから急速に増加し、国内消費の過半数を占めています。
コールドチェーンとは、低温管理を必要とする製品について、品質を維持しながら、産地からスーパーなどの販売場所まで低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったまま流通させる物流のことを指します。
近年、高齢化・核家族化に伴い、加工食品や調理済み食品、外食市場への需要が増加し、 私たちの生活に低温流通品は無くてはならないものになりました。
コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアなどで販売される冷凍食品やお惣菜、薬などを毎日のように利用される方も少なくないでしょう。 私たちの生活はコールドチェーンによって支えられていると言っても過言ではありません。
製造サイドでは、製薬会社から食品メーカー、店舗サイドでは、コンビニベンダーやスーパーの流通担当までコールドチェーンは様々な業種の企業で必要とされています。
また高度化(多様化・高級化)する消費者のニーズにも対応すべく、コールドチェーンも製品の種類や地域、季節に応じて、より幅広く精度の高い低温管理が求められるようになっております。
2.コールドチェーン改善の必須ツール「業務用保冷ボックス(バッグ)」
コールドチェーンの品質、コストを改善には、効率的な商品の保管方法、経路、積層する車など、様々な方法がありますが、その中でも重要な、低温流通管理資材をピックアップして説明します。
低温保冷資材の分類としては、
- 手でハンドリングする場合
- カゴ台車に積む場合
の大きく2つの用途に分かれます。
冷凍食品など、保管温度0度以下の低い温度管理が求められる製品に関しては、
保冷効率を高めるために①の手でハンドリングできるサイズの保冷ボックス(バッグ)「冷凍シッパー」を使うことをお勧めします。
【冷凍シッパーの主な用途】
- 冷凍、冷蔵食品の輸送
- 医薬品の輸送
- 生協用の冷凍食品の輸送
- 航空貨物用の保冷容器
- 宅配用輸送 etc..
従来の冷凍シッパーはポリスチレン樹脂を発砲させたフォームを使っています。形状はボード状で、耐圧力があるため、建材用の断熱材としても広く使われている素材です。
しかし従来型の冷凍シッパー以上に、効率的なコールドチェーンを生む「高性能保冷ボックス(バッグ)」があります。以下では「高性能保冷ボックス(バッグ)」について詳しくご説明します。
3.高性能保冷ボックス(バッグ)と真空断熱材のメカニズム
当社では冷蔵品・冷凍品を取り扱う3PL事業者さまの配送コストを低減するため、高性能保冷ボックス(バッグ)を開発しました。
高性能保冷ボックス(バッグ)を支えているのが、
真空断熱材(VIP:Vacuum Insulation Panel)と呼ばれる断熱材です。
*VIPは省エネを謳い文句にしている冷凍庫の断熱材として採用されています。
4.保冷ボックス(バッグ)用途に合わせた真空断熱材の開発
VIPは断熱性能において最も優れている断熱素材の一つですが、価格とVIP保護対策が課題でした。
*突き刺し等による外部からのダメージにより、VIPに穴が開くと断熱性能が落ちるためです。
弊社では、コスト競争力のあるVIP断熱材の仕入れ先を開拓しました。
*発砲ウレタン材とVIPの一体成型品を製造しているメーカーさんと直接取引を行っております。
弊社で採用している高性能保冷ボックス(バッグ)には、「PUVIP」と呼ばれる発砲ウレタン材とVIPの一体成型パネルが断熱素材として使われています。
真空断熱材の保護材や保護方法に関する課題については、
発砲ウレタン材でVIPを完全被覆する方法を開発しました。
一般的な保冷ボックス(バッグ)には、XPSやEPSのような
建材としても使われる断熱材を使用することが一般的です。
5.高機能保冷ボックス(バッグ)がもたらす3つのコスト低減
断熱性能の高い保冷ボックス(バッグ)採用による物流コスト低減には、3つの方法があると考えております。5-1.冷媒量(蓄冷材必要量)削減による物流コストの低減
従来型冷凍シッパー | VIP付冷凍シッパー | |||
⇒ |
||||
蓄冷材4枚使用して庫内温度を測定 | 従来型シッパーと同じ外気温の条件下で、 同じ庫内温度を従来型より少ない量の蓄冷材 で実現出来ます。 |
そもそも保冷ボックス(バッグ)自体には温度を冷やす能力はありませんので、冷媒と呼ばれる蓄冷材やドライアイスと併用で保冷ボックス(バッグ)を運用します。
保冷ボックス(バッグ)は一度購入すると数年は使用できる優れものですが、
蓄冷材の一部はサイクルの早い消耗品です。
長期的な視点で考えたとき、冷媒量の削減はトータル物流コスト削減に大きく影響します。
5-2.輸送車両における積載効率アップによる物流コストの低減
同じ内容積の保冷ボックス(バッグ)を制作する場合、断熱性能の高い断熱材を用いると、断熱性の低い断熱材を用いた場合に比べて保冷ボックス(バッグ)のパネルを薄くすることが可能になります。
外寸を小さくすることにより、トラックへのボックス積載効率アップが期待されます。
積載効率アップは、トラックの台数削減につながる可能性があります。
5-3.ボックス内の商品貯蔵量アップによる物流コスト削減
保冷ボックス(バッグ)の外寸を固定した場合、断熱パネルを薄くすることにより内容積がアップします。
上記表にもありますとおり、「PUVIP」を使用したタイプの保冷ボックス(バッグ)は同じ外寸法の従来品保冷シッパーと比べ、箱の厚みは半分以下。その結果として、ボックス内容積が約1.5倍に、保冷効率を表す熱還流率も向上します。
また、同じ外寸の保冷ボックス(バッグ)に、より多くの商品を積載することは
保冷ボックス(バッグ)の必要量を低減することにも繋がります。
断熱性能の高い保冷ボックス(バッグ)を採用し、
物流コストの低減を検討してみてはいかがでしょうか。
高性能保冷ボックス(バッグ)に興味がある方はこちらからご連絡下さい。↓↓
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