【コロナ収益対策】店舗用の軒先テント「オーニング」が飲食店の売上をアップさせる理由
高谷裕美
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、世間ではあらゆる場所・場面においていわゆる「三密」を回避することが求められるようになりました。この影響を大きく受けたのは飲食店や商店街などもともと人が密集することの多かった業態であり、一定の間隔を保つ「間引き」営業などによって、面積あたりの売上高は大幅に減少しました。 コロナ禍で厳しい状況にある飲食店を「オーニング」が救うかもしれません。
オーニングとは何か?活用するメリットは?なぜ売上がアップするの? そんな内容をまとめました。
飲食店舗(路面店)の経営者の方、ショッピングモールの関係者の方のお役に立つ内容です。ぜひご覧ください。
店舗用の軒先テント「オーニング」とは?
飲食店を経営している方なら「オーニング」という言葉をきいたことがあるかもしれません。オーニングとは「日除け・雨除け」を意味し、よく路面店舗の軒先から外に延びている庇(ひさし)や、テラス席にかかるテント屋根のような部分を含めて指します。 ヨーロッパでは機能と美しさを兼ね備えるとして広く愛用されてきた歴史もあり、店舗の外観を彩ったり、看板の役目を果たしたりもします。
屋外空間を活用できることから、特に昨今のコロナ禍において注目が高まっています。
オーニングの種類
オーニングは店舗の窓からのびているひさし型のタイプ以外にもいくつかの種類があります。以下に代表的な4タイプのオーニングを紹介します。
サンシェード(日除け)型
比較的簡易なタイプのオーニングです。膜材にハトメなどが付いており、紐でくくることで使うタイプをサンシェード型といいます。ベランダやテラスの日除けに使われることの多いタイプです。
壁打ち型
路面店の軒先や窓から延びている、よく見かけるタイプのオーニングは壁打ち型と呼ばれるものです。専門の事業者による本格的な工事で壁に取り付けられており、多くはハンドルを回すなどして伸縮するようになっています。
突っ張り棒型
店舗よりも住宅で用いられることが多いのが突っ張り棒型のオーニングです。軒下と地面の間に突っ張り棒を立てて、そこから膜材のひさしを伸ばします。工事が不要なので気軽に使えるタイプです。
自立型
壁に取り付けるのではなく、テントのように立てるタイプのオーニングは自立型と呼ばれます。飲食店のテラス席やショッピングモールの屋外スペースなどに設置されたりすることの多いタイプです。
飲食店で軒先用テント・オーニングを活用する4つのメリット
飲食店やショッピングモールでオーニングを導入することで、以下の4つのメリットが得られれます。特にコロナ禍において大きなメリットがあるため、検討をおすすめします。
日除け・雨除け効果で空間を有効活用
軒先やテラスのスペースに屋根が設けられることにより、天候への対応範囲が広がります。雨天時や夏季の日照時などにおいても、オーニングがあれば利用者にとって快適な空間をつくることができ、空間を有効活用できます。
工事や設置に「建築申請」が不要な場合もある
オーニングの種類や設置する方法によっては建物としての申請「建築申請」が不要な場合があります。増築をしたり屋根を付けたりすると一般的には店舗の面積が広くなることになるので「建ぺい率」などを気にする必要がありますが、一部のオーニングは仮設屋根として見なされるのでこの対象にならないことがあるのです。
煩雑な申請なしで店舗スペースを広げられるのは大きなメリットです。
使わないときは片付けられる
様々な種類のオーニングがありますが、いずれも折り畳んだり、縮めたり、格納したりして不要時に片付けられるというメリットがあります。日照をコントロールして空間の快適さを調整したり、路面を使うときには必要なときだけ展開するなど、柔軟な使い方ができるのがオーニングのひとつの利点です。
売上アップの可能性
オーニングを使うことで店舗の有効面積が広がります。面積が広がれば、それだけ売上を作りやすくなります。特にコロナ禍で三密回避が求められる昨今においては、座席を「間引き」した店内スペースでは限界があるため、外の空間を活用することで利用者にとっても安心できるスペースを増やすことができ、売上を補填できる可能性があります。
オーニングに関係する法律
メリットも多く設置も容易なことが魅力のオーニングですが、関係する法律は少なくないため基礎知識として押さえておく必要があります。 オーニングに関係する4つの法について、簡潔に整理します。
- 建築基準法
- 道路交通法・道路法
- 消防法
建築基準法
「国民の生命・健康・財産を守る」という目的で、建物の安全性や、土地の基準を定めた法が建築基準法です。建築物・敷地・設備・構造・用途のルールを明確にします。 オーニングが「建築物」にあたる場合は建築基準法の適用を受けますが、以下に当てはまる場合は「建築物ではない」とみなされます。
- テント製の簡易的な巻き上げや軒出し
- キャンプやイベント用テントなど、一時的な使用を目的としたもの
- 軽微で開放性が高く、その屋内で住居・執務・作業・集会などに使用しないもの
つまり出し入れが容易で規模の小さいものであれば、建築基準法の制限を受けない場合があると理解できます。
道路交通法・道路法
車や歩行者が道路上で守るルールを定めた法が道路交通法であり、危険の防止や交通の円滑化を目的としています。そして名称は似ていますが、道路の種類を定めたり管理のルールを定めたりしているのが道路法です。 これらの法では道路の使用についても基準が設けられているため、敷地をはみ出すようにオーニングが使われる場合にルールを確認する必要があります。
消防法
国民の命・身体・財産を火災から守るために諸々のルールを定めたのが消防法です。 管理体制や構造の基準が定められており、たとえば「防災地域」に定められたエリアでオーニングを利用するためには防炎性の生地を用いなければならない、などの規制を気にする必要があります。
軒先テント「オーニング」の導入は太陽工業にワンストップで依頼する
初めての導入である場合や、法律について調べることが手間であるような場合、「どこに相談したら良いかわからない」と思うかもしれません。 オーニングの導入は商品選びから法律の知識、施工技術などが求められるため、知識や経験を持つ事業者へ依頼することをおすすめします。
太陽工業株式会社は、創業100年の膜材の老舗です。 東京ドームをはじめとした世界的に有名な建築も手がける膜構造のリーディングカンパニーで、テントやオーニングにも豊富な実績を持っています。 商品の販売だけでなく各種法律の確認や必要な申請、施工、アフターケアまでワンストップで依頼できます。
まとめ
オーニングの活用が飲食店などの売上をアップさせる可能性についてまとめました。 正しい知識でオーニングを導入すれば、建築申請などを行わずに有効活用できるスペースを増やせる場合があります。 コロナ禍の売上補填を検討している飲食店の経営者の方は、ぜひオーニングの導入をご検討ください。
屋外スペースを活用した事業転換・稼働席数の増加など…
事業継続のための投資を考えるチャンスを逃さないためにも補助金や道路空間の規制緩和についてご紹介します。
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