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テント倉庫/工場/作業場
2021/03/18

バイオマス発電の燃料保管における注意点 │ 燃焼効率と安全性を高める方法

高谷裕美
MakMaxプラス

バイオマス発電のプラント建設において発電設備などと並んで必要になるのが燃料を保管する置場(ストックヤード)です。しかしその重要性の認知度はまだ低いといえます。 適切な燃料置場の設置によってバイオマス発電の効率や安全性を高める方法を紹介します。

 

【目次】
1バイオマス発電とは
2 バイオマス発電プラントに必要な主要設備
   貯木場・原料置場
   燃料加工設備
   燃料置場(ストックヤード)
   燃料サイロ
   燃料ボイラ設備
   燃料タービン設備
   変電・送電設備
3 バイオマス燃料や機械を野ざらしにするリスク
   機械の破損リスク
   燃料の破片の飛散リスク
   燃料効率の低下リスク
   自然発火・火災の発生リスク
4 なぜ燃料置場に屋根や壁を設けないケースがあるのか
   建築コストへの懸念
   作業効率低下への懸念
   安全への懸念
5 低コストで燃焼効率や安全性を高める方法
   膜構造(テント倉庫など)とは
   低コスト
   短工期
   採光性が高く、明るい
   軽量・柔軟で地震に強い
   夏は涼しく、保管環境に優れている
6 まとめ

 

バイオマス発電とは

脱炭素社会を目指す動きが広がる中、再生可能エネルギーにますます注目が集まっています。再生可能エネルギーには主に「地熱」、「水力」、「風力」、「太陽光」などがあり、中でも自然環境に左右されにくく安定しているとして「バイオマス」への期待が特に高まっています。

バイオマスとは動物や植物などの生物由来の再生可能資源を指す言葉で、この燃料を燃やしたりガス化したりすることで発電する方法を「バイオマス発電」といいます。バイオマス発電の方式には「直接燃焼方式」、「熱分解ガス化方式」、「生物化学的ガス方式」があり、いずれも水蒸気やガスを発生させてタービンを回転させる火力発電の一種です。

バイオマス発電の方式の中でも一般的なのが直接燃焼方式で、その燃料の種類も様々です。代表的なのが木質系であり、他に農業系や畜産・水産系、建築廃材系、食品作業系から製紙工場系まであります。加工技術や燃焼技術の進歩により、あらゆるものがバイオマス燃料として利用できるようになってきているのです。

 

バイオマス発電プラントに必要な主要設備

バイオマス発電プラントを建設する場合、主に以下のような設備が必要になります。 ここでは例としてもっともポピュラーな木質バイオマスのプラントを中心に紹介しますが、他のバイオマス燃料の場合も概ね共通しています。

  • 貯木場・原料置場
  • 燃料加工設備
  • 燃料置場(ストックヤード)
  • 燃料サイロ
  • 燃料ボイラ設備
  • 蒸気タービン発電設備
  • 変電・送電設備

 

貯木場・原料置場

 

現在もっとも一般的なバイオマス燃料である木質ペレットの場合、その原料である大量の木材をストックする場所が必要です。燃焼効率的を高めるためには木材をしっかり乾燥させる必要があり、ここで6か月間~1年間ほどかけて自然乾燥させます。

なお輸入の多いPKS(パーム椰子殻)の場合、埠頭に荷揚げされた燃料をここに一時保管します。

 

燃料加工設備

 

乾燥させた木材を、バイオマス燃料として使用できる木質ペレットの状態に加工するための設備です。破砕機という機械に木材を投入して細かく砕き、木質ペレットを作ります。 ボイラーで効率よく燃焼させるためには、木材の含水率を考慮する必要があります。 機械を屋外に設置するケースも見られますが、機械への雨水の侵入や木材の破片の飛散を防止する観点から、屋根や壁を設けることが推奨されます。

 

燃料置場(ストックヤード)

 

作った木質ペレットやPKS(パーム椰子殻)などのバイオマス燃料は、燃料サイロに送られるまでここで一時保管されます。量が膨大になることが多く、必要な面積がかなり大きくなることから、設備をつくらずに野ざらしで保管するケースもよく見られます。しかし燃料の乾燥を保って燃焼効率を確保するためには、ここでも屋根と壁を設けることが推奨されます。

 

燃料サイロ

 

バイオマス燃料をボイラーに送り込むための設備です。送り込むまでの間、一時保管する機能も兼ねています。

 

燃料ボイラ設備

 

バイオマス燃料を燃焼させて水を沸かし、高温・高圧の水蒸気を作り出します。ここで作られた水蒸気が、次の蒸気タービン発電設備に送られます。

 

蒸気タービン発電設備

 

ボイラーで作られた水蒸気の力でタービンを回転させて電力を生み出す設備です。

 

変電・送電設備

 

発電機で作られた電気は送電できるように変電気で調節され、送電設備から送電線を経由して各所に送られます。

 

バイオマス燃料や機械を野ざらしにするリスク

紹介した設備のうち、バイオマス燃料の加工設備と燃料置場(ストックヤード)については屋根や壁を設けずに野ざらしであるケースが見られると記述しました。 しかしこれには大きなリスクが伴いますので、想定されるリスクをまとめます。

  • 機械の破損リスク
  • 燃料の破片の飛散リスク
  • 燃焼効率の低下リスク
  • 自然発火・火災の発生リスク

 

機械の破損リスク

破砕機などの機械はその用途上、ある程度の防水性能は備えています。しかしこれも万全ではなく、雨風にさらし続ければ故障やサビの原因になります。 メンテナンスや買い替えの費用を考えれば、機械の設置場所は倉庫などの屋内で、必ず屋根や壁を設けるべきです。

 

燃料の破片の飛散リスク

木質ペレットを加工する場合などは、かなりの量の破片や粉塵が飛散します。 プラント内の管理の観点、そして近隣トラブル回避の観点から、やはり機械は倉庫などの屋内で使用するべきであるといえます。

 

燃焼効率の低下リスク

木質ペレットやPKSなどバイオマス燃料そのものを野ざらしで保管する場合は、雨によって濡れた燃料の燃焼効率が低下するリスクを考える必要があります。 含水率の高い燃料を投入することで、燃焼効率が下がり発電コストが増加するだけではなく、更には炉の痛みを早める原因にもなります。 このリスクを考えれば、燃料置場は確実に倉庫などの屋内に設けるべきであることがわかります。

 

自然発火・火災の発生リスク

燃料が雨水に晒されることには、もうひとつ大きなリスクがあります。 雨水によってバイオマス燃料の含水率が上がると燃料が発熱しやすくなり、大量に積まれた燃料から自然発火する恐れがあります。実際に、屋外の燃料置場で火災が発生するという事故も過去に起こっています。 燃料の保管は倉庫などの屋内で行うことでリスクを低減する必要があります。

 

なぜ燃料置場に屋根や壁を設けないケースがあるのか

上述のリスクがありながら、なぜ燃料置場や機械加工場に屋根や壁を設けないケースがあるのでしょうか。それは主に建築コスト、作業効率、安全性を懸念しているためです。

 

建築コストを懸念しているケース

破砕機などの機械はその用途上、ある程度の防水性能は備えています。しかしこれも万全ではなく、雨風にさらし続ければ故障やサビの原因になります。 メンテナンスや買い替えの費用を考えれば、機械の設置場所は倉庫などの屋内で、必ず屋根や壁を設けるべきです。

 

作業効率の低下を懸念しているケース

また屋根を設けてしまうことで作業場に光が届かずに暗くなってしまい、重機の操作などを伴う作業の効率が低下することも懸念されます。 照明設備を入れることもできますが光量が不十分であることが多く、また光熱費も追加で発生することになってしまいます。

 

安全性を懸念しているケース

十分な面積をカバーする倉庫や屋根ともなれば、その重量は相当のものになります。 地震大国である日本においては重い屋根材などは万一のときの危険性を高める懸念があります。

 

低コストで燃焼効率や安全性を高める方法

できるだけコストを抑えながら、バイオマス燃料の燃焼効率を保ったり作業効率や安全性を高めたりすることができれば、それが理想的です。 これを実現するのが、バイオマス燃料プラントにおける「膜構造(テント倉庫など)」の活用というソリューションです。

 

膜構造(テント倉庫など)とは

テント倉庫とは壁や屋根に「膜材」という生地を用いた建築物であり、きわめて優れた機能性によって多くのメリットを持っている倉庫のことです。 主に以下のような特徴を有しています。

  • 低コスト
  • 短工期
  • 採光性が高く、明るい
  • 軽量・柔軟で地震に強い
  • 夏は涼しく、保管環境に優れる

 

低コスト

合理的な構造と軽量な素材構成、システム化された設計等により従来の倉庫に比べて建築コストを抑えることができます。特にその軽量さから地盤の弱い場所での建築に適しており、追加の杭工事などは必要ありません。 たとえば1,000㎡クラスの倉庫を対象とした場合、在来工法に比べて約40%ものコスト削減が可能です。

 

短工期

基礎工事のボリュームを削減しながら本体工事もシステム化することによって、工期の点でも従来の倉庫と比較して短工期を実現します。 同じく1,000㎡クラスの倉庫の例で比較した場合、なんと約66%もの工期短縮が可能です。

 

採光性が高く、明るい

テント倉庫の屋根や壁に用いられる膜材は透光性が高く、完全に覆われた屋内でもたっぷりと自然光を取り込むことができます。日中なら照明器材が不要であるほど明るく、作業効率は飛躍的に高まります。必要な照明が抑えられることから初期投資やランニング費用の削減にもつながります。

 

軽量・柔軟で地震に強い

テント倉庫は膜材を用いていることから、従来の金属板で構成された倉庫と比べて軽量であり柔軟性にも優れます。地震などの外からの力に対して変形することでダメージを逃がすことができ、さらに万一の屋根落下や倒壊の場合においても軽量ゆえにダメージを抑えることができます。

 

夏は涼しく、保管環境にも優れる

酸化チタン光触媒コーティングの膜材は日光の反射率を飛躍的に向上させ、倉庫内部の温度上昇を抑えることもできます。中で作業する方の快適さを保って作業効率を高めながら、さらに有害な紫外線もカットすることができます。

 

まとめ

バイオマス燃料発電プラントにおいて、特に燃料置場へ屋根や壁を設けることの重要性を紹介しました。建築コストを抑えるために設備を省くことで、逆にコストがかかってしまうケースがあることがわかりました。

建築コストを抑えながら、燃焼効率の確保、作業効率や安全性の向上を図るソリューションとしては「テント倉庫」が最適です。 テント倉庫をご検討の際は、年間700件以上の導入実績を持ち、物件数・バリエーションともに業界最多実績の太陽工業をぜひご用命ください。

テント倉庫についてさらに詳しく知りたい方や、各種事例をご覧になりたい方は以下からご確認ください。

>>太陽工業株式会社「テント倉庫」公式ホームページ

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