ETFEフィルムの大型天窓を採用したラフタ・センター完成
高谷裕美
~欧州最大のタワーを誇るラフタ・タワーを含む「持続可能性」をテーマとした複合施設~
太陽工業株式会社はドイツ現地法人のTaiyo Europe GmbHを通じて受注したラフタ・センターのETFEフィルム製の大型天窓を完成させました。
今回、Taiyo Europe GmbHが受注したラフタ・センターはロシア、サンクトペテルブルクに計画された「持続可能性」を掲げる商業施設です。ラフタ・センターの中央を縦断するアトリウム上に設けられた天窓にETFEフィルム製のクッションが採用されました。
高機能フッ素樹脂のETFEフィルムは非常に軽くて薄い素材ながら、20年以上の高い耐久性を備え、紫外線による白濁も少ないことが大きな特長となります。このフィルムを4層式のクッションに加工し、空気で膨らませることで構造の安定性を保っています。アトリウム上の天窓は全長300メートル、高さは最大で60メートルあり、屋根は双曲線放物面を描いています。
Taiyo Europe GmbHはETFEフィルム製クッションと鉄骨の設計、加工、施工を受注し、約4,090平米のETFEパネルを加工及び現場施工、2019年に完成させました。複雑な形状をした鉄骨構造、ロシアにおける冬季の現場施工など、非常に高難易度の技術を要する工事となりました。
「持続可能性」をテーマとして掲げるラフタ・センターは、2018年12月24日にLEED*1プラチナ認証を受け、ETFEフィルム製天窓の提供する十分な自然光は認証取得に貢献しました。さらに、『高層ビル・都市居住協議会(CTBUH)』*2が主催するCTBUH Annual Awardsにて、本施設は「高層ビル400メートル以上」、「構造エンジニアリング」、「ファサードエンジニアリング」、「施工」、「地盤工学」、5つのカテゴリーにて優秀賞を受賞しました。
ラフタ・センターは2021年にオープンを迎える予定です。
*1 非営利団体USGBC(U.S. Green Building Council)が開発し、GBCI(Green Business Certification Inc.)が運用を行う、建築や都市の環境の環境性能評価システム
*2 高層ビルの計画、設計、建設、運営に関する非営利団体
Taiyo Europe GmbHについて
創立:2004年
社長:Frank Höreth
所在地:ドイツ、ザウアーラハ
ラフタ・センターについて
施主:Renaissance Construction (ロシア)
設計:RMJM (ロシア)、Gorproject (ロシア)
構造:Maffeis Engineering (イタリア)
施工:Renaissance Construction (ロシア)
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