業務用の移動式大型テントの特徴と移設事例の紹介
高谷裕美汚染土壌対策を実施する土木工事現場では、環境配慮や施工の効率化等のために一部でテントの設置が義務づけられており、作業箇所に応じて設置と撤去を繰り返すことになるため、業務用の移動式大型テントが役立ちます。
業務用の移動式大型テントは、経済的で効率的な汚染土壌対策建屋です。 本稿では、業務用の移動式大型テントの特徴と移設事例をご紹介いたします。
大型テントを必要とする汚染土壌対応工事
汚染土壌に対応する工事現場では、その処理方法によって、法律の定めにより作業箇所の上にテントの設置を求められる場合があります。 主なケースは以下のとおりです。
- VOC(揮発性有機化合物)汚染土壌で掘削除去工法で行い、雨除け、粉じん対策としてテントが必要な場合。
- ダイオキシン、PCB、水銀、POPsの場合は原則前室テント付きの負圧管理できるテントが必要。
- その他重金属の場合は近隣対策上テントを要す場合のみ必要。
- ホットソイル工法(VOCの汚染された土壌に生石灰などを混合して、反応熱を利用して、揮発・分離・吸引、活性炭にて吸着回収する工法)を原位置で行う場合はテントが必要。
- 掘削除去工法(現場にて直接、汚染度を掘削除去し、場外の中間処理工場まで搬出する工法)はテントが必要な場合と不要な場合あり。
- トンネルずりは自然由来の有害物質(シアンを除く8種類)が発生する場合があるが、重金属の為水銀以外はテント重要度は低いが、雨対策(土を乾燥させる・一時保管)の用途で設置する場合あり。
汚染土壌対応工事現場における移動式大型テントの用途
汚染土壌対応工事現場で必要となる移動式大型テントの用途は、工事の目的によって以下のようなものがあります。
- 汚染土壌対策建屋
- 掘削残土の一時集積保管場
- その他仮置き場
- プラント設備等建屋
- 雨、雪対策用建屋
汚染物質の飛散等を防ぐだけでなく、様々な用途があります。
仮設テントを設置することにより、天候に大きく左右されずに作業ができるため、工期短縮が可能となったりする他、施工環境・周辺環境への配慮だけでなく、現場従事者の方への配慮もできます。
法律の定めに限らず、汚染土壌に対応する工事現場には、テントが必需設備となっているのです。
業務用の移動式大型テントのバリエーションとサイズ展開
業務用の移動式大型テントは、大きく分けて「伸縮式」と「固定式」の2種類があります。 伸縮式は、仮設テント自体が蛇腹式に伸縮するもので、固定式はより大空間の保管スペースを確保できるものです。
ここでは、仮設レンタルテントで数多くの実績がある、太陽工業株式会社の移動式大型テントのバリエーションをご紹介します。
伸縮式
伸縮式大型テントは、仮設テント自体が伸縮するタイプで、長尺や重量物を直接クレーンで入出庫できます。
上屋の伸縮に機械は不要で、人手で動かすことができます。
間口サイズは5種から選択可能です。
設置工事は1棟あたり通常1〜2日で完了し、撤去も通常わずか1日で現状復旧します。
伸縮式 新型
新型伸縮式大型テントは、スパン毎にテントを差し込んでいく構造の伸縮式のテントで、必要な面積分だけ設置することができます。
スパン毎にテントを差し込んでいく構造なので、桁行方向の寸法は1スパン(1.5m)毎に自由に設定できます。
開口部はカーテン式で、スライドするだけでフルオープンし、スピーディーな出し入れが可能で作業効率がアップします。 テント取付はガイドファスナーに沿って分割膜を差し込みスライドさせるだけであり、旧型と比較して施工性と安全性がアップしています。
固定式 大型
固定式大型テントは、大空間の保管スペースを手軽に確保することができ、機能的な保管倉庫を短期間で構築することが可能です。
中間支柱のない大規模なスペースと7.5mの軒高で、十分な格納スペースを確保します。 建築基準法にに対応しているので、建築確認申請が可能です。
大型のものではW40m×軒H10m程度までに対応可能で、有効範囲内では、1.8mピッチ程度で自由な近似寸法で施工できます。
また、コストは高くなりますが、さらに60m〜80mの大スパンでも対応可能です。 これは、プラント解体養生や文化財建物養生等での導入事例もあります。
移動式大型テントの移設事例
移動式大型テントの移設方法や移設事例を画像で紹介します。
必要に応じて移動することが多い汚染土壌の工事現場において、テントの機動性は作業全体の効率に直結します。
まとめ
画像を見ても分かるように、移動式大型テントは、仮設であり移動の必要性の高い汚染土壌対策建屋として、優れたソリューションです。 作業現場で移設が必要な場合は、吊り上げ移動・スライド移動により、簡単に移設することが可能です。
太陽工業株式会社は、移動式大型テントを数多く手掛けています。
様々な課題やニーズに対応力できますので、ぜひお問い合わせください。
テント倉庫製品のお問い合わせは
>>テント倉庫製品サイト
太陽工業株式会社へのお問い合わせは
>>太陽工業株式会社│総合お問い合わせ
倉庫建設時に知っておくべきこと
すべて詰め込みました。
こんな方におすすめ
- 倉庫建設で何から着手すべきかわからない
- 経済的に倉庫を建設したい
- どの種類の倉庫を建設すればいいのか
- とにかく、倉庫建設の基礎知識を付けたい
- 2024年問題が気になるが、 何をすればよいかわからない
関連記事
見て体感!AR機能も搭載のECサイトが誕生
- 作成者 :
- 高谷裕美
コロナ禍でも必要な「防災・減災・感染症対策」製品をオンラインで理解~商談~購入までサポート 2021年1月14日 <報道用資料> 太陽工業株式会社 大型膜面構造物(テント構造物)や各種災害対応製品などを扱う太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:荒木秀文)は、この度、コロナ禍でも緊急性や社会ニーズの高い「防災・減災・感染症対策」製品を取り揃え、AR(拡張現実)やオ...
もっと読む
土嚢の中身は砂20kg!?素人でもできる土嚢の正しい作り方・積み方
- 作成者 :
- 高谷裕美
日本は、三日に一度雨が降る多雨の国です。台風もあります。 最近ではゲリラ豪雨が頻発し、いつどこで浸水などの水害が発生するかわかりません。 浸水対策は他人事ではなく、あなたも一定の知識を持って備える必要があります。 一般的な浸水対策としてまず思い浮かぶのが、「土嚢」を使った止水でしょう。 ニュース映像などでもよく見かける土嚢ですが、あなたは土嚢についてどれくらい知っているでしょうか?緊急時に、十分な...
もっと読む
避難所や病院でのスペース対策!屋内の空間を区切り、安心・安全を実現する「屋内制御マク」
- 作成者 :
- ミライ工事
新型コロナウイルスなどの感染症に対応するため、動線分離する「エアーテント」の設置や、それに陰圧設備を付与した陰圧テントの設置など、病棟外に簡単に素早く設置できる様々なテントが注目されています。 一方で、今後、経済活動を再開していくにあたり、医療施設に加えて、 工場など大きな空間内を、より簡単に仕切ることによって 働く人の安全・安心を守る場を確保することも重要です。 そこで活用いただきたいのが、空間...
もっと読む
法面保護工の種類と新しい手法│重機・専門技能不要の低コスト工法とは
- 作成者 :
- 高谷裕美
「法面」とは切土または盛土によってつくられた人工的傾斜面のことです。山がちで雨の多い日本において常に不安定かつ脆弱性を持ちます。 法面は崩壊リスクと隣り合わせで、その表面の浸食や、崩壊を抑止するために法面の保護工事や補強工事が必要です。しかし、その工法はそれぞれ一長一短があります。 今回はさまざまな法面保護工事の施工方法と、新しい解決策についてご紹介します。 【目次】 1 法面保護工とは 2 法面...
もっと読む
和室天井を含む様々な天井構造の仕組・種類の紹介と耐震性の考え方
- 作成者 :
- 高谷裕美
「天井」について深く考える機会はあまりないかと思いますが、その奥は深く、様々な構造や機能などがあります。 特定天井、耐震天井、吊り天井、直天井───湿度・温度調整、防音、明るさの確保、ホコリの落下防止───。天井の構造について全体を理解し、安全で機能的な天井を実現できるよう、必要な知識を簡潔にまとめました。 【目次】 1 おもな天井の構造:直天井と吊り天井 2 天井構造の種類 3 気を付けたい耐震...
もっと読む