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記事公開日:2024/01/29 最終更新日:2024/01/29

物流倉庫の悩みを解消する管理システム【WMS導入のメリット・デメリットとは?】

ワンマーケティング
MakMaxプラス
倉庫は物品の保管だけできればよい、と考えてはいませんか。倉庫は求めに応じて速やかに物品の入出庫ができなければなりません。無駄なスペースを作らない工夫も必要です。そして何より作業する人にとって安全であることが求められます。本記事ではより理想的な倉庫運営をサポートするWMS(Warehouse Management System)について紹介します。

WMSとはどんなシステム?

倉庫活用を考える

倉庫をただの保管場所と捉えずに、いかに生産的な事業拠点として活用できるかを考えることが大切です。WMSは倉庫の可能性を広げるシステムです。

倉庫の生産性を向上させるWMS

WMSとは、倉庫管理システム(Warehouse Management System)の略称です。倉庫の使い方は業種により変化します。通販では自社商品を保管し出荷する物流拠点、製造業では原材料と出荷前製品の2種類の倉庫が必要になります。

物流のターミナルでは行き先別に荷物を仕分けすることも必要です。このように倉庫の使用目的は複数ありますが、基本はどこに何がいくつあるかを正しく把握することです。さらにWMSは未使用スペースから倉庫の余力を把握できます。収納力をこれまで以上に高めることも倉庫の生産性向上に繋がります。

WMS運用のイメージ

WMSでは、倉庫の荷物をバーコードで管理します。作業担当者がハンディスキャナーでバーコードを読み取ります。読み取ったデータはシステム内のデータベースで管理され、保管場所、在庫、商品名、入荷日などの情報が一括管理されます。

出荷する場合は、入荷日の古いものが先になるようにシステムが保管場所の伝達やピッキングの指示を行うので、商品を探す手間なしで速やかに出荷することができます。

基幹システムや配送管理システムとWMSは何が違う?

絡み合うシステムのイメージ

企業運営には複数の管理システムが利用されることがあります。そしてそれぞれのシステムが似たような機能を持っていることもあります。倉庫を利用する企業で使われるWMS以外のシステムとWMSの違いを整理します。

WMSと基幹システムとの違い

会社の事業の根幹を担う基幹システムでも在庫管理機能を備えているものがあります。基幹システムでは在庫を資産の一部として捉えます。複数の倉庫があってもそれらを区別することなく、全社で何円分の在庫があるかを把握します。

原価1,000円の商品が10,000個あれば、1千万円の資産を計上して会社の財務諸表に反映させます。経営状況の把握には役立ちますが、物流の現場ではあまり影響がありません。

WMSと在庫管理システム(SMS)との違い

在庫管理システム(Stock Management System)は製品と倉庫ごとの在庫状況および入荷予定、出荷予定など在庫の流れを把握するためのシステムです。

製品の回転率を見て次回入荷数や納期調整を行うバイヤー必須の機能ですが、倉庫内の保管場所や倉庫の空きスペースの把握には向きません。仮に商品が大ヒットして入荷数を増やそうとしても、倉庫に空きがなければ入庫は不可能です。WMSで管理することで、効率的な生産計画や入出荷計画、倉庫の増床計画などをスムーズに実施できます。

WMSと配送管理システム(TMS)との違い

配送管理システム(Transport Management System)は、倉庫から出て行った(出荷した)商品の行方を管理することがメインです。また、1日の出荷数は配送管理システムによって管理されるトラックの配車数に左右されます。WMSの出荷予定とTMSの配車の双方を調整することはスマートな物流に不可欠です。

倉庫管理専用にWMSを導入する意味とは?

WMS活用

物流倉庫においては、最適なシステムの使い分けが業務効率アップのポイントとなります。

倉庫内の運用ルールにあいまいな箇所が増えると、倉庫のポテンシャルを十分に発揮できないことがあります。保管場所が無意味に離れてしまったり、古い在庫と最近の在庫が混在していては、出荷すべき製品を探して作業者が右往左往するようなことも起こりかねません。

在庫や倉庫内物流を把握するための仕組みは様々な業務用システムが持っています。それにも関わらずWMSが求められるのは、各々のシステムでは補いきれない倉庫管理上の詳細なデータをまとめて管理できるからです。


WMSの主な機能

保管在庫

WMSの主な機能を解説します。それぞれの見出しを目次がわりに自社ニーズに関わるところからチェックしてみてください。

入出荷管理

製品の入庫出荷をサポートします。入荷製品のバーコードを読み取ることで、システムに在庫として計上されます。システムは入荷日ごとの在庫数や製品ごとの出荷予定、倉庫の空き具合、製品の分類など複数の条件を元に、最適な保管場所の指示を行います。

出荷の際は、ピッキング担当者に保管場所とピッキング個数の指示が送られます。複数の製品をピッキングする場合は、倉庫の保管場所を元にもっとも移動ルートがスムーズになるように指示が送られます。

在庫管理

他の業務管理システムでは総量しか把握していないことも多い在庫を、WMSは入荷日ごとに管理します。消費期限が定められているものは、古い順に出荷指示を行います。自社製品であれば、消費期限が近いものはバーゲン品として売り出すなどの販売計画立案の材料にもなります。

棚卸管理

WMS登場以前の棚卸作業は手間のかかる大変な作業でした。特に保管場所が別れている場合、その理由もわかりにくく、管理帳票との照合も時間がかかっていました。WMS導入後の棚卸しはバーコードをスキャンしていくだけで完了します。

製品や保管場所ごとの照合はWMSが自動的にチェックしてくれるので、目視による確認に比べて素早く、入荷日などのわかりにくい情報の確認もWMSを介することでスムーズに行えます。

ロケーション管理

製品の保管場所を詳細に管理します。保管場所をどのエリアの何番の棚の何段目といった細かな場所まで管理します。人力では手間がかかりすぎて現実的ではありませんが、WMSなら詳細な保管場所の指示、把握が可能です。詳細なロケーション管理によって、出荷時のピッキング速度の向上に繋がります。

請求管理

通販では、商品名と個数、金額の合計を印字した納品明細を商品と一緒に梱包します。出荷指示のタイミングで自動的に請求管理も行い、指定の支払い方法に基づいた決算(カード会社への連絡や振込用紙の印刷など)を行います。

BtoBであれば、取引先ごとに請求情報を管理しておき指定日に請求するといったことも可能です。

帳票・ラベル発行

庫内作業で変化した商品の状況(1箱ごとの残り在庫数など)を引き継ぐための帳票やラベルの発行にも対応しています。サンプルとして抜き取った場合や商品不良が見つかった場合の在庫反映もスムーズに行えます。

WMS導入によって得られる7つのメリット

入出荷に活躍するローラーコンベアー

様々な機能を持つWMSですが、それらの機能の活用がどのようなメリットをもたらすのかをまとめます。

1.人的要因による作業ミスを激減

倉庫での業務は単純な業務の繰り返しが続きます。延々と入荷製品を確認し、割り当てられた保管場所への誘導や指示、大量に積まれた製品群の数量確認などが必要となります。

ハンディスキャナーによるバーコード読み取りも単純作業の繰り返しではありますが、目視での再確認や管理表への入力に比べてミスが起きにくい作業です。作業ミスの解消やチェック手間の省略を実現できることで、倉庫作業全般の効率化向上と大きなコスト削減に繋がります。

2.各業務の効率アップ、自動化が可能

作業ミスが減ることで、各業務の所要時間短縮が見込めます。ITを効果的に取り入れた大型倉庫では、入荷した箱をローラーコンベアーに乗せ、目的の保管場所まで自動的に輸送するシステムが導入されています。

コンベアーに取り付けられたバーコードスキャナーとシステムの連携で、ローラーコンベアーの輸送先を切り替える高度なオートメーションを実現している倉庫もあります。

3.在庫管理業務の最適化を維持できる

在庫管理には倉庫内の保管スペース数とそれぞれの収納数、今現在どのようにスペースが使われているかといった情報の把握が必要です。WMSによるシステム化がなされていない場合は倉庫の構造を熟知し日々の在庫の移動に関わっている数人の担当者しか、それらの情報を掴むことができませんでした。

空きスペースの使い方も担当者各々のノウハウに頼る部分が多く、最適な状態を保つことは困難でした。WMSは属人的な業務運用を撤廃し、倉庫業務に関わる誰もが同様の結果が出せるような支援を行います。

4.効率的な人員配置、労働力の確保

製品によって入出荷の頻度は異なります。頻繁な出入りがある製品の入出荷業務に多くの人員を配置すべきですが、倉庫内の製品の出入りの把握ができていないと非効率的な人員配置を行なってしまうリスクがあります。

WMSによって倉庫内作業がシンプルになり、経験による人材の差別化が不要になります。短期アルバイトの活用など、繁忙期の人員確保も容易になります。

5.倉庫内の在庫、物流のリアルタイム管理

各製品の在庫数や入出庫の実績をリアルタイムで把握できます。

社内ネットワークにWMSが繋がっていれば、遠く離れた倉庫の状況もまとめて一覧することができます。情報の活用方法は様々ですが、キャンペーンの立案や期末の在庫数予測から決算見込みを求めるなど他部門の業務精度の向上にも役立ちます。

6.倉庫内でのトレーサビリティの確保、把握が容易

倉庫内の空きスペースがすぐに誰でも把握できるので、入荷数を増やした製品の保管場所の確保や入出荷の少ない製品を奥よりのスペースに配置し直すなど、柔軟なスペース活用をすぐに行うことができます。

7.顧客満足度の向上

倉庫を利用する事業は多岐に渡り、BtoC、BtoBの違いもあります。どのような業態であれ、倉庫の収納力を最大限に活かし素早く入出荷ができる企業は顧客にとって信頼できる取引先となります。WMSを活用し、自社倉庫がよりよいサービスを提供することは顧客満足度の向上に繋がります。

WMS導入のデメリット

不満に対処する責任者

多くのメリットが期待できるWMSですが、導入時には留意すべき課題も存在します。

新システムに関する社内教育

システム導入後のもっとも重要な課題は、新しい仕事の進め方を現場に徹底させることです。

さらに新しい業務運用は、倉庫作業の現場のみならず、入荷を指示するバイヤー、製品の販売計画やキャンペーンの担当者まで、広範囲に影響を与えます。もちろん、まず重要となるのは、日々の倉庫業務を滞りなく新システムに移行することです。

並行して段階的に他部署へもWMSのメリットと使い方を周知していきます。ここでつまずくとシステムの価値が理解されないまま、WMS導入が失敗であるかのような印象を与えかねません。


導入コスト、運用コストなどシステム費の増加

新しい仕組みの導入には当然ですが、費用が発生します。この費用を多いと捉えるか少ないと捉えるかは、投資に見合う費用対効果が得られるかどうかにかかっています。事前に試算は行われているはずですが、想定通りの効果が得られているかどうかを定期的に検証する必要があります。

デメリットを最小限にする導入のポイント

人を活かそう

前項でご紹介したようなデメリットを最小限にするための、ポイントを理解しておきましょう。

システムをよく知る社員からメリットを共有

現場の従業員や管理者のなかには、これまでいろいろと工夫をしながら課題解決し、うまくやってきたという強い自負を持っている方も多くおられるでしょう。

自負の強い方ほど、トップダウンの新しいやり方にマイナスのイメージを持ちやすいものです。逆にいえば、そのような業務意欲が高く現場影響力もある方を味方につけることで、導入後の業務改革も率先して牽引してくれます。

例えば、システムの要求定義の検討ミーティングに無理のない範囲で参加してもらうのも効果的です。参加ができない場合でも議事録を共有し、感想があればメールなどで報告を受けるようにしておき、当事者意識を高めてもらいましょう。

現場で欲しい機能やシステムをより使いやすくする提案を聞くことも有効です。倉庫の現場だけでなく、バイヤーやマーケティングなど倉庫と関係のある部署とも、現場の課題と導入によって楽になる部分、使いこなし事例などを共有しておくことで、システムへの興味、期待が増し、導入後もスムーズに受け入れてもらえるようになります。

マニュアル作成や勉強会などを実施

実際に倉庫作業を行なっている現場では、WMS利用時の業務マニュアルの作成、配布や作業部署ごとの勉強会を積極的に行なっていきましょう。

事前に情報を共有していた現場担当者を中心に、研修計画やOJTを実施していくことで業務に寄り添った説明が可能になり、現場への浸透がスムーズになります。勉強会も1度やって終わりでなく、複数回開催しましょう。

実際に業務を行うことで新たな疑問点が浮上することもあります。また見逃していた不具合や有効な改善点が見つかるかもしれません。押し付けや丸投げにならないように導入初期は感想や疑問点を頻繁に拾い上げ、改善計画を示していくことも重要です。

WMSの導入コストを下げる

WMS候補を検証

WMSの中でも、製品によって機能の違いや業態に対する向き不向きがあります。導入目的をはっきり持ち、自社に必要な製品を見極めることが大切なポイントです。ここでは主にコスト面と構築の自由度に注目して、無駄のない自社に合う製品を選ぶポイントをご紹介します。

自社ニーズに合ったシステムを選ぶ

自社に合ったWMS製品を見極めるには、導入目的を明確にすることが大切です。

機能が多いから価格が安いからといった理由でなく、目的に合致しているか将来的なニーズにも対応できるのかを重視してシステムを選びましょう。導入時の価格が多少高くなっても、ニーズに適したWMSなら投資コストの回収も短期間で達成できます。

導入コストや管理コスト重視か? 構築の自由度を重視か? なども検討する

システムの導入には、高額なハードウェア費用およびメンテナンス等の運用コストも必要になります。

この問題の解決手段として、インターネットを活用したクラウド型WMSも登場しています。クラウド型は、ハードウェアや運営のコストがかからないので初期コストを大きく減らすことができます。

一方でオンプレミス型のWMSであれば、導入コストや運用コストは大きくなるものの、システム構築の自由度が圧倒的に高くなるという利点を得られます。また、クラウド上の運用は不安だがコストはなるべく抑えたい、という場合に向いているパッケージ型のWMSもあります。

▼クラウド・オンプレミス・パッケージなど様々なタイプのWMSについて詳しくは、こちらの記事でも解説しています。
WMS(倉庫管理システム)のメリットや選び方のポイントを解説! シェアNo.1の会社を含む最新版WMS製品10選も徹底比較

自社業務に最適なWMSを導入しよう

入念な検討

多くのWMS製品から最適なひとつを選び出すためのコツを紹介します。

製品によるWMSの機能の違いを理解する

製品選びの前に目的の共有が大切です。

また将来を見据えた拡張性についても検討し、必要な要件をまとめましょう。WMSは製品によって特徴が異なります。できるだけ多くのWMSの機能概要を比較し、導入事例も参考にしつつ、目的に合った導入候補を絞り込んでいきましょう。

多くのWMS業者サイトは無料の資料請求を受け付けています。社名や担当者名を登録する必要があるサイトもありますが、カスタマイズ性など深く情報を得るために登録してもよいでしょう。物流系の事案や取り組みを紹介するニュースサイトからも関連情報として新しいWMS製品が紹介されていることがあります。

複数の製品を比較し、自社の目的に適した製品を見つけ出しましょう。

ニーズに合わせてシステム提案ができる企業選定がポイント

企業に納品される業務用システムは、ニーズに合わせた調整やオプション機能の追加が可能なものが少なくありません。一方で価格重視でカスタマイズ性に乏しいクラウド型も注目されています。

またオンプレミスの製品でもカスタマイズできないパッケージ製品とする代わりに価格を下げているものもあります。候補製品の選定や実際の導入は、WMSを取り扱うベンダーと相談しながら行います。自社ニーズに寄り添った提案ができるベンダーを選ぶことも、活用できるWMS選定に重要なプロセスです。

他システムの連携や短工期での拠点増築などもっと便利を目指す

WMSは倉庫運営のポテンシャルを高めてくれる柔軟性のあるシステムです。

トレーサビリティに優れたWMSは、倉庫運営の幅を広げてくれることでしょう。繁忙期対応や仮拠点の構築などには太陽工業の「テント倉庫」の活用がおすすめです。「テント倉庫」は低コストで工期も短く、耐久性にも優れています。柔軟なシステム環境を更に有効に活用するために、ハード面から倉庫運営をサポートするテント倉庫の活用もご検討ください。

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