太陽工業コラム

【EXPO2025大阪・関西万博】太陽工業の膜構造建築の技術と、太陽グループのイベントオペレーション能力が統合して華開く、EXPO×TAIYO。

1970年、大阪で開催された日本万国博覧会 (Japan World Exposition, Osaka 1970)。
日本初の国際博覧会であり、アジアでも初めての開催となったこの万博で、膜構造建築のリーディングカンパニーである太陽工業は、膜構造建築物の約9割を手がけました。特に、アメリカ館の「エアドーム技術」は、その後、東京ドームに採用されることとなります。

それから55年、博覧会や大型スタジアム、国際空港など、世界中の膜構造建築物を手掛けた経験は、今回のEXPO 2025 大阪・関西万博にてさらに進化し、パビリオン主催者様や各大手建築会社様と協力しながら、世界を驚かせる建築物を数多く実現しました。
また、グループ会社のTSP太陽やACTIOは、パビリオンの運営も手掛け、建築から運営までを総合的にサポートしています。

今回のコラムでは、太陽グループがかかわるEXPO 2025 大阪・関西万博のパビリオンの一部をご紹介します。

太陽グループのソリューションを結集
万博サウナ「太陽のつぼみ」

 シルバーパートナー

 ETFEフィルム及び関連部材の設計・施工

 パビリオン全体の設計・施工

 運営

設計・建築・施工から運営まで手掛ける太陽グループがつくりたい、「やわらかく、あたたかい」未来社会を具現化した施設です。太陽工業が、サウナ形状に合わせた自然光を透過するETFEフィルムの設計・施工、TSP太陽が全体の設計・施工を担当。期間中に約1万5千人の方々がサウナを楽しむことができるよう、アクティオが運営を担当しています。

来場者に明るく開放的な空間を提供する膜屋根
夢洲駅

 駅舎膜の設計、製造、施工

コスモスクエア駅より延伸した新駅である夢洲駅は、2025年1月19日に開業し、4月13日から始まる大阪・関西万博の玄関口となります。膜の安全性や軽さ、高い耐久性を評価され採用された膜屋根はPTFE膜の材料を採用しており、表面処理の酸化チタン光触媒の性能により、有機汚れが分解され雨水で洗い流されることで白い外観が長期にわたり保たれる高い防汚性が特徴です。

メッシュ膜で「水」の動きを活かす
いのちの未来(石黒 浩プロデューサー)

 ファサード用のメッシュ膜の​設計、製造、施工​

石黒浩テーマ事業プロデューサーが手がけるシグネチャーパビリオン「いのちの未来」のテーマは「いのちを拡げる」です。「いのち」の象徴である「水」に着目し、黒のメッシュ膜の凹凸に沿い、壁面に流れる水が波のように見える様子が特徴です。

やわらかで大きな膜屋根がいのちのゆらぎを体現
いのちの遊び場 クラゲ館(中島 さち子プロデューサー)

 TMトラスと膜屋根を組み合わせたTTR(太陽トラスルーフ)の設計、製造、施工​​

中島さち子テーマ事業プロデューサーが手がけるシグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」のテーマは「命を高める」です。万人万物の持ついのちのゆらぎを体現したやわらかで大らかな膜屋根を支えるランダムなトラスが特徴です。国籍、年齢、性別、障害の有無といった違いを超えて、人が出会い、「揺らぎある遊び」を楽しめる場を作りだしています。

映り込む風景がゆがむミラー膜が産みだす新体験を提供
null2(落合 陽一プロデューサー)

 ミラー膜を用いたファサード及び取付金物の設計、製造、施工​​

落合陽一テーマ事業プロデューサーが手がけるシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」のテーマは「いのちを磨く」です。ミラー膜とボックス状のアルミ型枠の収まりが特徴です。展張されたミラー膜は鏡のように周辺の景色を映し、眺める角度によって風景が大きく変化します。

高難易度の局面形状をサスペンション膜構造で実現
いのち動的平衡館(福岡 伸一プロデューサー)

 膜屋根とケーブルの設計、製造、施工

福岡伸一テーマ事業プロデューサーが手がけるシグネチャーパビリオン「いのち動的平衡館」のテーマは「いのちを知る」です。いのちを表現する有機的な形状を、ケーブルに膜を張るサスペンション膜構造で実現しました。デザインコンセプトは「うつろう建築」です。

次世代への太陽と呼ぶ球体が日の出とクリーンエネルギーがもたらす未来を表現
オランダパビリオン

 TMトラスの設計、製造、施工

共に分かち合い、新しい価値を生み出すこと「コモングラウンド(共創の礎)」を参加テーマに、オランダは人々と健全で幸せな社会構築を目指しています。日の出とクリーンエネルギーをイメージした建物の中心にある球体の内部鉄骨をTMトラスで実現しています。​​

海外パビリオンで1番に完成した確かな技術力 伝統と文化を伝える
アイルランドパビリオン

 設計手続き・パビリオン全体の施工など

「創造性が人々をつなぐ」がテーマのアイルランドパビリオン。アイルランド政府による意匠設計のもと、設計手続き・パビリオン全体の施工などをTSP太陽が行っています。アイルランドの伝統的な渦巻き模様「トリスケル」をモチーフとした3つの巴文様はそれぞれ、国家としてのアイルランド、日本との関係、クリエイティブな協働の精神を表しています。外壁にはアイルランド産の木材を使用しました。

見え方が変化する膜が、多くの可能性を表現
電力館 可能性のタマゴたち

 膜の設計、製造、施工

 スタッフ募集、選考、研修、会場運営

電力館は、カーボンニュートラルのさらにその先を見据え、社会の基盤を支える電力業界ならではの視点で未来社会を描くパビリオンです。外殻には様々な平面を組み合わせた「ボロノイ構造」を採用し、外側はシルバーの膜で覆っています。

様々な角度から光を取り込み、天候や時間帯によって多様に見え方が変化することで、未来に向けた多くの可能性を表現し、自然や周囲の環境とも調和します。

世界でここにしかない“タマゴ型デバイス”とともに、みんなで動いたり、タッチしたり、音や光に包まれたり…さまざまな体験を通じて、未来を切り開くエネルギー技術にふれることができます。

限られたスペースでの施工。大型一枚膜の挑戦
BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャン・ドーム)​

 膜の設計、製造、施工​

 運営

BLUE OCEAN DOMEは、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとした、来館者が楽しみながら環境保護の考え方を学べるパビリオンです。循環、海洋、叡智をテーマにした3つのドームから構成されています。

目玉の一つが直径10メートルの巨大な球体のスクリーンで、立体感のある映像で海の生物や海洋汚染の実態に迫ります。海洋ドームの屋根には一枚物の不燃膜材(一部透明)を使用しています。

内外温度差を生み出す膜材料でコンセプトを体現
ガスパビリオン おばけワンダーランド

 膜屋根及び鉄骨の設計、製造、施工

おばけワンダーランドは、「化けろ、未来!」をコンセプトとし、「脱炭素」がテーマです。2050年までにカーボンニュートラルを実現するという目標に向けた、ガス業界の取り組みを紹介する計画です。

パビリオン全体を覆う銀膜はSPACECOOL社が開発した放射冷却素材を用いており、これにより中と外の温度が6度程度変わります。最大高さ約18メートルで複雑な形状と強い反射の材料が特徴です。

  • 発注者:一般社団法人日本ガス協会
  • 基本設計:株式会社日建設計
  • 実施設計 :日建設計・奥村組設計共同企業体
  • 施工・監理 :株式会社奥村組
  • 構造 :鉄骨造
  • 万博公式WEBサイト:https://www.expo2025.or.jp/domestic-pv/gas/

西陣織の織りの技術と膜構造の加工・設計・施工技術を融合
飯田グループ×大阪公立大学共同出展館​

 西陣織膜の開発及び膜と鉄骨の設計、製造、施工

世界初の西陣織を纏った建築です。膜材の開発に加え、柄合わせや複雑な形状の鉄骨が特徴です。外観のコンセプトは「サステナブル・メビウス」。

人々の幸せに暮らしたいという変わらない想いと輝く「いのち」への希望を表現しました。特殊加工された西陣織の生地を全面にまとうことで、未来と伝統の融合を具体的なものにしています。

柱がない空間を施工 ゲストのシームレスな体験を実現 大阪の食文化を世界に!
ORA外食パビリオン​『宴~UTAGE』​

 ファサードをのぞく外構部分の設計・施工

元請として、ファサードをのぞく外構部分の設計・施工を担当。新しい外食の在り方を世界に「宴~UTAGE~」として定着させていくとともに、5つのアクションである新・おもてなし、新・食体験、新・境地、新・賑わい、新・外食産業を目指します。

セルフクリーニング機能を備えた全長150mの白い膜
未来の都市​

 トラス、膜屋根、膜ファサードの設計、製造、加工を含む建築一式受注

リアル会場とバーチャル空間でSociety5.0が実現する未来社会を多様な「共創」によって創り上げます。多彩なイノベーションで実現する未来の都市や、食、文化、ヘルスケア、未来への行動をパビリオンで仮想体験できます。

建物の膜屋根、外観ファサード含む工事一式を元請け受注しました。太陽工業が開発した「酸化チタン光触媒PVC(ポリ塩化ビニール)メッシュ膜」を2層重ねた「ダブルスキン」のファサードを採用しています。このメッシュ膜は太陽光を吸収して表面の汚れを分解し、雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を備えています。日中は白く、夜間はライトアップで様々な色に変化します。

木の葉のような膜屋根が多様な場をつなぐ
フューチャーライフヴィレッジ(展示施設)​

 膜屋根の設計、製造、加工

夢洲の湿地帯をイメージした中庭周りにさまざまな展示やイベントが行われるユニット群が並び、それらをつなぐリング状の通路を巡って来訪者は自由に展示を回遊します。 緑が絡む蛇篭の壁に光や風が流れて雨水を循環利用し、ランドスケープと建築が密接に結びついた中庭ではこれからの環境空間の実践を試みています。

木の葉のような屋根が連なる半屋外空間が散らばり、心地よい森のように緩やかにまとまりながらも多様な場を創出します。

メッシュ膜の抜け感と形状美を追求
ポップアップステージ東内

 膜屋根及びケーブル設備の設計、製造、施工​

ポップアップステージは万博会場内の通路に面した5つの客席のない約50㎡の屋外イベントスペースです。音楽ライブやパフォーマンス、小規模なステージイベントに適した施設です。

設計事務所の要望に寄り添いながらコストを重視し、ディテールを検討しました。メッシュ膜の透け感や懸垂形状にご注目ください。

日除けテントで心地よい場を提供
風の広場(日除けテント)

 ブロンズパートナー​

 基礎・鉄骨・膜工事

太陽グループがブロンズパートナーとして協賛。テントにはグループ3社のロゴが掲出されています。TSP太陽が基礎・鉄骨・膜工事を担当しました。

明るく開放的な空間を実現
月化粧 × うなぎパイ 大阪・関西万博店

 膜屋根及び関連施設の設計、製造、施工

未来型チャレンジショップは、参加企業・団体の規模・業態に関わらず、多種多様な企業・団体に展開されています。未来社会ショーケース事業の一環として、飲食や物販、サービスに関わる新たな技術や社会システム、生活スタイル等を来場者に実際に体験していただくことを目的としています。

新たな生活スタイルを快適にお楽しみいただけるよう、シンプルな切妻形状の膜屋根を採用し、開放感・明るさ・軽やかさを備えた約250㎡の空間を実現しています。

「膜」の無限の可能性を追求するリーディングカンパニー
「太陽工業株式会社」の代表的なソリューション実績

膜にこだわり、膜を超える。

建築事業(膜構造建築物)

大型スポーツ施設、国際空港、駅、商業施設など、誰もが知る大型の膜構造建築を手掛ける世界的リーディングカンパニー、太陽工業です。暮らしと社会、人と地球を明るく照らす魅力的な建築物を生み出します。

建築事業(テント倉庫)

物流問題、建築費高騰問題を解決するのが、テント倉庫です。
低コスト・短工期で実現できるテント倉庫の建設を、施設の計画から設計、申請、施工まで、ワンストップで対応します。
太陽工業はテント倉庫においてもリーディングカンパニーです。

物流事業

粉・粒体用の輸送に使用するフレキシブルコンテナバッグの製造・販売や回収・洗浄サービス、メンテナンス、さらにはパレット回収システムの提供など、膜の技術を中心としたさまざまな物流ソリューションをお届けします。

国土事業

培ってきた膜の技術を活かし、土木事業、環境保全や防災減災などに役立つ高品質の製品、工法を数多く生み出しています。港湾・海洋、河川・ダム、森林、道路・鉄道などの多岐にわたり、独自の技術をご提供します。

「感動の場」をトータルに創造するプロフェッショナル集団
TSP太陽株式会社

待ちきれない明日を

多彩なジャンルのイベントを創造するプロフェッショナル集団として、半世紀を超える経験と培ったノウハウを活かし、みなさまの待ちきれない明日を創ります。

人々に「歓び」と「感動」を提供しつづけてきた信頼
アクティオ株式会社

お客様と共に『歓び』と『感動』を提供し続けます。

多彩なジャンルのイベントを創造するプロフェッショナル集団として、半世紀を超える経験と培ったノウハウを活かし、みなさまの待ちきれない明日を創ります。

  • TOP>
  • 太陽工業コラム>
  • 【EXPO2025大阪・関西万博】太陽工業の膜構造建築の技術と、太陽グループのイベントオペレーション能力が統合して華開く、EXPO×TAIYO。