大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己)は、このほど防カビ性能をもつEVA(エチレン酢酸ビニル)を使用したランニングタイプのフレキシブルコンテナバッグを開発しました。食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度に適合した防カビ添加剤を使用した本製品は「防カビEVAタイコン」として、今月から本格的に販売ならびにレンタルを開始します。
お米や麦、芋などの食品や粉末状の食材を輸送する物流資材として、フレキシブルコンテナバッグが利用されています。耐久性に優れた強固な大型バッグで、1トン程度の食品を袋詰めで配送できる便利で経済的な物流資材です。しかし、内容物排出後、バッグに付着した食材の残渣の影響により、膜面にカビが発生することがあります。今回、こうしたカビを発生させない新たな性能をもつ防カビ原反の開発に成功しました。
当社ではランニングタイプと呼ばれる何度も洗浄して使用するフレキシブルコンテナバッグを販売またはレンタルで提供しています。「防カビEVAタイコン」は、製品化に際し、実使用年数の10年分に相当する洗浄時間である700分以上の洗浄を経た後でも、防カビ抑制効果を維持しています。当社ではフレキシブルコンテナバッグを洗浄し、何度も使用することで、資材を使い捨てしない環境に配慮した物流環境を提供します。
防カビEVAタイコンの性能試験
太陽工業では、「防カビEVAタイコン」の本格導入に向けて2022年から本製品の開発を進めてきました。屋外曝露試験において開発した製品は、12カ月間屋外に放置された状態でもカビの発生は認められていません。

JIS Z 2911:2018 カビ抵抗性試験による評価 培養期間:8週間(通常の2倍の期間で実施)

屋外暴露による評価(2024.4開始)
防カビEVAタイコンの概要
・製品名: 防カビEVAタイコン
・提供方法: 販売・レンタル(価格はオープン)
・提供開始: 2025年6月
・開発: 太陽工業株式会社
・製造: 太陽工業株式会社(福井工場)
・想定顧客: 食品会社、物流会社など
太陽工業の物流事業について
太陽工業は1963年、合成樹脂や化学品、食品、肥料など粉や粒体の物流に適したフレキシブルコンテナバッグの開発に成功し物流事業を開始しました。当初は肥料などを運ぶために使用されましたが、次第に合成樹脂や化学品、食品などにその用途が拡大しており、現在に至るまで粒体バッグ市場をリードしてきました。単に製造するだけでなく、洗浄やメンテナンスを行って再利用するランニング型バッグを強みとしており、環境負荷が少ない物流システムとして国内で広く利用されています。
太陽工業株式会社について
太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。
イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。