津波・水害用ドライスーツ
「TASKAL®」

「避難できない」状況から、人命を守る。

TASKAL®は、津波・洪水・河川氾濫などの大規模水害時において、逃げ切れなかった場合の人命保護を目的に開発された津波・水害用ドライスーツです。単なる浮力確保ではなく、溺死、低体温症、外傷、圧迫といった複合的なリスクの低減を目指し、研究・実験・製造の知見を統合して設計されています。

逃げられない状況でも、人命を守るための装備

津波や水害では、必ずしもすべての人が「逃げ切れる」とは限りません。TASKAL®は、万が一水に巻き込まれた場合でも、浮力の確保と体温低下の抑制によって生存可能性を高めるドライスーツです。

浸水を防ぐ

ドライスーツ構造が水の浸入を遮断。体が濡れない設計で寒冷水域でも活動を継続できます。

低体温症を防ぐ

水中・浸水環境でも体温を維持し、救助活動・生存に必要な時間を確保します。

外傷から守る

流木・瓦礫・水圧など、水害特有の外力から身体を保護する構造を採用しています。

すぐに見つけられる

蛍光色と反射材を組み合わせ、夜間・濁流中・ヘリからでも高い視認性を確保します。

素早く着られる

セパレート構造で迅速に装着可能。避難・出動の妨げになりません。


*本製品の検証は、一定条件下における性能を確認したものであり、使用環境や条件によっては性能が異なる場合があります。また、低体温症の発症、溺死を完全に防ぐこと、或いは生存性を保証するものではございません。

2011年3月11日。東日本大震災では2万人近い尊い命が失われました。さらに今後、南海トラフ地震や首都直下地震の発生リスクが継続的に指摘されており、津波、高潮、河川氾濫、内水氾濫などを含む大規模水害への備えはますます重要になります。

さらに近年は、短時間豪雨や線状降水帯による急激な浸水も各地で発生しており、沿岸部や都市部、河川周辺の生活圏そのものが水害リスクを抱えています。いま求められているのは、災害を「起こるかもしれないもの」として捉えるのではなく、発生を前提にどう命を守るかを考える防災です。

逃げることを前提にした防災だけでは、人命を守れない

現実の災害現場では、すべての人が同じように避難できるわけではありません。まず、身体的・状況的に避難が困難な人々がいます。高齢者、障害のある方、要介護者、病人、入院患者、施設利用者などは、短時間で安全な場所へ移動することが難しい場合があります。特に病院や介護施設、福祉施設では、多数の利用者を限られた人員で一斉に避難させること自体が困難です。
さらに、職務上その場を離れにくい人々も存在します。例えば、漁業従事者、港湾関係者、河川・港湾管理に従事する公務員、インフラ維持に関わる作業員などは、災害時においても現場対応や判断を求められることがあり、直ちに避難行動をとることが難しいケースがあります。

このように、災害時には「避難したくてもできない人」だけでなく、「役割上、その場にとどまる必要がある人」も存在します。津波到達までの時間が短い地域や、洪水によって急速に浸水が進行する状況では、「逃げること」を前提にした対策だけでは守りきれない命があるという現実があります。

津波・水害時のリスクは、単なる「溺死」ではない

東日本大震災の津波被害では、死亡原因の多くが水死とされています。しかし、その実態を詳しく見ると、頭部が水中に沈むことによる呼吸不能だけでなく、冷水による低体温症、瓦礫や漂流物との衝突による外傷、構造物による圧迫など、複数の要因が重なって被害を深刻化させていることが分かっています。つまり、津波・水害時に本当に必要なのは、単に「浮くこと」ではなく、呼吸を確保し、体温低下を抑え、外傷リスクを軽減しながら、救助まで生存時間を延ばすことです。

TASKAL®は、「逃げ切れなかった場合」まで想定した装備です

TASKAL®は、避難が間に合わなかった場合でも生存の可能性を高めることを目的に開発されました。従来の防災装備が「避難を前提とした備え」であるのに対し、TASKAL®は水に巻き込まれる事態そのものを想定した装備である点に大きな特長があります。
コンセプトは、「逃げ切れなくても、生き延びる可能性を最大限に高める」こと。 そのためにTASKAL®は、呼吸の確保、低体温症リスクの抑制、外傷リスクの低減、救助されやすさの向上という複数の視点を一体で設計に取り入れています。

製品・サービス紹介

特長

頭部非沈下性に配慮した設計で、溺死リスクを低減

津波や洪水の流れの中では、人体は不規則な渦や強い水流に巻き込まれ、姿勢を保つことが難しくなります。その結果、頭部が水中に沈み、自力で呼吸を確保できなくなることが溺死につながります。TASKAL®は、この課題に対して頭部が沈みにくい浮力設計を重視しています。実験に基づいて、強い流れや乱流に近い条件下でも頭部が沈み込みにくい構造が検証されており、呼吸確保を支える仕様として設計されています。


*本製品の検証は、一定条件下における性能を確認したものであり、使用環境や条件によっては性能が異なる場合があります。また、溺死を完全に防ぐこと、或いは生存性を保証するものではございません。

ドライスーツ構造で、低体温症リスクを抑制

津波や洪水の際には、身体が冷水にさらされることで生存率が下がります。TASKAL®はドライスーツ構造を採用し、冷水の浸入を減らすことで、体温低下の進行を抑えることを重視した構造を採用しています。透湿防水生地を使用することで、水を遮断しながら内部の湿気を外へ逃がし、長時間の着用時の負担軽減にも配慮しています。


*本製品の検証は、一定条件下における性能を確認したものであり、使用環境や条件によっては性能が異なる場合があります。また、低体温症の発症、溺死を完全に防ぐこと、或いは生存性を保証するものではございません。

外傷・圧迫リスクに配慮した保護構造

災害時の危険は水だけではありません。瓦礫、漂流物、車両、構造物との接触や衝突により、大きな外傷が生じる可能性があります。TASKAL®は、頭部や膝部などに衝撃緩衝材を備え、さらに頭部を保護するフード構造を採用することで、こうした外傷リスクの軽減を図っています。溺死だけでなく、低体温症や外傷まで含めて考えられていることが、一般的な浮力装備との大きな違いです。

着用しやすく、避難行動を妨げにくいセパレート構造

TASKAL®は、ドライスーツとライフジャケットを分離したセパレート型構造を採用しています。これにより、保管時のかさばりを抑えながら、素早い着用と移動性の両立を図っています。靴を履いたまま着用でき、またスーツ前面の開閉部に面ファスナー構造(着脱式テープ)を採用することで着脱性を向上するなど、実際の災害時運用を見据えた設計になっています。防災備蓄品として保管しやすく、訓練での運用にも適した装備です。

発見されやすさまで考慮した高視認性

災害時に生き延びるためには、浮いているだけでは不十分です。救助者から早く見つけてもらえることも重要です。TASKAL®では、オレンジ、黄色、赤といった高視認性カラーを採用し、海面や浸水環境の中でも人として認識されやすい設計を意識しています。ヘリコプターやドローン、周囲からの捜索時に発見されやすいことまで視野に入れている点も、実災害を想定した装備ならではの特長です。


*本製品の検証は、一定条件下における性能を確認したものであり、使用環境や条件によっては性能が異なる場合があります。

研究・実験・製造の知見を結集して開発

実験の様子:人間の体は津波で発生する大小さまざまな渦によって、時には水中に巻き込まれて浮き上がれなくなる可能性があります。足が水中に沈むだけでも渦に巻き込まれる可能性があることから、胸部だけでなく、頭部と下半身もできる限り水中に没しないように、工夫しました。

TASKAL®は、単独企業による発想ではなく、分析、実験、デザイン、製造の各分野が連携した開発体制のもとで生まれました。津波・水害の被害分析を踏まえ、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所の大規模津波再現実験施設を活用して、実際の津波に近い条件で人体挙動や浮力配置を検証。さらに、膜構造技術や救命装備技術、視認性や着用性を意識したデザインの知見を組み合わせながら、製品化へとつなげています。防災士・災害備蓄管理士が監修し、実験に基づいて開発されていることがTASKAL®の信頼性を支えています。

ご使用にあたっての重要事項

TASKAL®は、同梱のライフジャケットと併用することを前提に設計されています。浮力の確保および実験で確認された頭部非沈下性能は、国土交通省の型式承認を取得したライフジャケット TK-200ARS と組み合わせて使用した場合に発揮されるものであり、ドライスーツ単体での使用は想定されていません。単体での使用は重大な事故につながるおそれがあります。

また、本製品は津波・洪水などの災害時における人命保護を目的とした装備であり、日常使用やレジャー用途、釣り、マリンレジャーでの使用は想定していません。災害時に確実に機能させるためには、開封後の着用訓練、定期的な点検、適切な洗浄・保管が重要です。なお、TASKAL®は生存の可能性を高めるための装備であり、安全や生存を保証するものではありません。

  • TOP>
  • 製品>
  • 津波・水害用ドライスーツ 「TASKAL®」