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テント倉庫/工場/作業場
2020/11/17

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』を活用して農業用機械や施設を導入する方法

高谷裕美
MakMaxプラス

高価な農業用機械や農業用施設の導入を諦めていませんか? 農業者の方は、一定の条件を満たす場合、機械や施設の導入費用を国に支援してもらえる場合があります。

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』という助成金制度についてこの記事で説明します。概要や対象となる事業、支援金額などについて詳しく、かつ分かりやすく整理しました。

助成金についてあまりよく知らなかった方、なんとなく難しそうで避けていた方などは、この機会にぜひご確認ください。

 

 

強い農業・担い手づくり総合支援交付金とは?

『農林水産省が実施する助成金制度のひとつであり、収益力の強化と、担い手の経営発展を推進することを目的として、農業用機械や施設の導入を農業経営体の規模に応じて切れ目なく支援してくれるものです。 支援される事業の内容によって以下の3つの『タイプ』に分けられており、それぞれに異なる条件等が設定されています。

  • 産地基幹施設等支援タイプ
  • 先進的農業経営確立支援タイプ
  • 地域担い手育成支援タイプ

それぞれについて、個別に詳しく解説します。

 

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』3つの支援タイプ

大枠の目的は同じですが、支援される事業内容によって助成金額などが異なる3つのタイプに分けられています。各タイプの概要は以下のとおりです。

産地基幹施設等支援タイプ

市場や組合など、地域農業において中心的な役割を果たしている農業法人や農業者団体等を支援するのがこのタイプです。品質管理や衛生管理の強化を図る卸売市場施設の他、産地や消費地での共同配送などに必要なストックポイントなど、産地の基幹となる大型施設の導入を支援してくれます。

  • 助成対象:農業用の産地基幹施設(耐用年数5年以上)
  • 補助率:1/2以内等
  • 上限額:20億円(~30億円)

 

先進的農業経営確立支援タイプ

後述する『地域担い手育成支援タイプ』に対して、より高い目標を持って広域に展開する農業法人等について上限額を引き上げたのがこのタイプです。 自らの創意工夫と判断により、経営の高度化に取り組むために必要な農業用機械や農業用施設の導入を支援してくれます。 『融資主体補助型』の事業で実施されます。(詳しくは後述)

  • 助成対象:農業用機械・施設(耐用年数5年~20年)
  • 補助率:3/10以内等
  • 上限額:個人1,000万円、法人1,500万円等

 

地域担い手育成支援タイプ

地域農業の担い手として、経営発展のための取り組みを行おうとする農業経営体(経営者)に対して、経営基盤を確立し、更に発展させるために必要な農業用機械や農業用施設の導入を支援してくれるタイプです。 『融資主体補助型』に加え、『条件不利地域型』の2種の補助事業から構成されます。

  • 助成対象:農業用機械・施設(耐用年数5年~20年)
  • 補助率:3/10以内等
  • 上限額:300万円等

 

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』2つの補助事業

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』は、融資を必要とする『融資主体補助型』と、小規模・零細地域の効率促進を目的とした『条件不利地域型』の2つの補助事業から成っています。 それぞれについて対象事業などの条件が異なりますので、それぞれについて整理します。

融資主体型補助事業について

融資を活用して農業用機械・施設を導入する際に、融資残について助成金を交付してくれるのがこの事業です。以下の期間からの融資が対象になります。

  • 農業協同組合
  • 農業協同組合連合会
  • 農林中央金庫
  • 日本政策金融公庫
  • 沖縄振興開発金融公庫
  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 都道府県

なお、新しい技術を活用して労働力不足等の課題に対応する農業経営のイノベーションを目指す活動の場合は、事業の優先枠の対象になります。

 

事業実施地区

以下のいずれかを満たす地区が対象です。 該当するかどうかについて、詳しくは各市町村の農政担当部局へお問い合わせください。

  1. 適切な「人・農地プラン」(後述)が作成されている地域
  2. 「人・農地プラン」を作成していない地域では、農地中間管理機構から賃借権の設定等を受けた者が営農する範囲

 

適切な「人・農地プラン」

『適切な「人・農地プラン」』とは、以下をすべて満たしている計画のことを指します。

  • 人・農地プランの作成に当たって、主要な農業者(入り作者等を含む)の意向を踏まえて原案の作成が行われるとともに、話し合いなどの活動を通じて農地の出し手等も含めた地域内の関係者にも内容が共有され、かつ、話し合い等の活動の結果が公表されていること。
  • また、話し合い等の活動の中で今後の地域農業のあり方(農地集積・規模拡大、複合化、6次産業化、高付加価値化、新規就農促進等の取組)や農地中間管理機構の活用方針についても、十分検討されていること。
  • 今後とも、話し合い活動を継続して行い、人・農地プランの内容の向上を図っていくと見込まれること。

 

助成対象者

『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』の『融資型補助事業』対象者は、以下のいずれか条件に当てはまる必要があります。

  1. 適切な人・農地プランに位置付けられた中心経営体
  2. 適切な人・農地プランの「今後の地域農業のあり方」に明記された内容を実現する上で必要であると事業実施主体が認める農業者又は当該農業者の組織する団体
  3. 農地中間管理機構から賃借権の設定等を受けた者(事業実施地区②に限る)

ただし、新規に就農を行った方の場合は、認定就農者または認定農業者に限定されます。

なお、対象者は、以下の『必須目標』と、さらに1つ以上の『事業関連取組目標』を具体的に設定し、これを達成することが求められます。

【必須目標】

  • 付加価値額(収入総額 - 費用総額 + 人件費)の拡大

【事業関連取組目標】

  • 経営面積の拡大
  • 農産物の価値向上
  • 単位面積当たり収量の増加
  • 経営コストの縮減
  • 農業経営の複合化
  • 農業経営の法人化

 

対象となる事業

助成金の対象となる事業は、以下の2点です。

  1. 農産物の生産その他農業経営の開始もしくは改善に必要な機械等の取得、改良、補強または修繕
  2. 農地等の造成、改良又は復旧

たとえば、以下のような事業が支援の対象になります。

  • トラクター、田植機、コンバインなどの農業用機械の取得
  • テント倉庫、乾燥調製施設(乾燥機)、集出荷施設(選果機)などの施設の取得
  • ビニールハウスの整備
  • 畦畔の除去、明渠・暗渠排水の整備などの農地等の改良

なお、対象事業は次のような細かい条件が設定されています。

  • 個々の事業内容について、単年度で完了すること。
  • 事業費が整備内容ごとに50万円以上であること。
  • 事業の対象となる機械等は、耐用年数がおおむね5年以上20年以下のものであること。
  • 運搬用トラック、パソコン、倉庫等農業経営の用途以外の用途に容易に供されるような汎用性の高いものでないこと。
  • 助成対象者の成果目標に直結するものであること。

 

助成金の算定方法

『融資主体型補助事業』の助成金額の計算方法と上限額は以下のとおりです。

  • 計算方法の①~③により算定した額のうち一番低い額
  • または各支援タイプで定める上限額のいずれか低い額

【計算方法】

  • ① = 事業費 × 3 / 10
  • ② = 融資額
  • ③ = 事業費 - 融資額 - 地方公共団体等による助成額

【各支援タイプの上限額】

  • 先進的農業経営確立支援タイプ : 法人1,500万円 、 個人1,000万円
  • 地域担い手育成支援タイプ : 法人・個人問わず 300万円

 

条件不利地域型補助事業について

もうひとつの補助事業、『条件不利地域型補助事業』は、経営規模が小規模だったり零細だったりする地域を対象としています。

「意欲ある経営体を育成」を目的として、共同利用する機械や施設の導入を支援する助成金制度で、農作業の共同化や農地の利用集積を促進することによって生産性の向上や農作業の効率化等を図ります。

 

事業実施地区

以下の表に記載の①から③のうち、いずれかに該当する地区が助成金の対象です。 該当するかどうかは、各市町村の農政担当部局に問い合わせてください。

(出所:農林水産省ホームページ)

 

事業実施地区

以下の3つの経営体のうち、いずれかに該当する場合は支援の対象になります。 各経営体ごとに条件が定められているため、それぞれについて確認してください。

  • 農業者等の組織する団体
  • 参入法人
  • 事業実施主体が認める団体等

 

農業者等の組織する団体

以下の4つのうちいずれかに該当する団体を指します。 なお、いずれも農家が3戸以上含まれていなければならず、さらに農家が団体の事業活動を実質的に支配していると認められる必要があります。(議決権の過半を占めるなど)

  1. 農事組合法人
  2. 農事組合法人を除く農地所有適格法人
  3. 特定農業法人及び特定農業団体
  4. 農作業の受託及び共同化、農畜産物の生産、加工、流通、販売等を行う法人又は任意団体(集落営農組織を含む。) など

 

参入法人

以下の2点の要件を満たす参入法人も助成対象です。

  • 3戸以上の農家から利用権の設定若しくは農作業の委託を受けて、農用地の利用集積を行う又は3戸以上の農家から原料供給を受けて加工等を行う目標及びその達成のためのプログラムが設定されていること。
  • 会社にあっては、資本金の額若しくは出資の総額が3億円以下又は常時使用する従業員の数が300人以下の法人(子会社は除く。)であること。

 

事業実施主体が認める団体等

上記にあてはまらない以下のような団体で、意欲ある経営体に代わって機械等を導入することが妥当であると事業実施主体(市町村)が認める場合は助成対象になります。

  • 農業協同組合
  • 土地改良区
  • 農業委員会
  • 第3セクターなど

 

対象となる事業

次の基準を満たしており、経営体が共同で利用する経営規模の拡大や多角化・複合化を進めるための機械や施設などが対象です。

  • 個々の事業内容について、単年度で完了すること。
  • 事業費が整備内容ごとに50万円以上であること。
  • 事業の対象となる機械または施設は、耐用年数がおおむね5年以上20年以下のものであること。
  • 助成対象者の成果目標に直結するものであること。

なお、支援の対象となる整備の詳細は以下の表のとおりです。

(出所:農林水産省ホームページ)

 

助成金の算定方法

整備内容ごとに、以下の範囲内で助成されます。

  • 1 / 2(農業用機械は1 / 3)を乗じて得た額の合計額
  • 上限は4,000万円

なお、沖縄県で実施する場合および水稲直播機等の機械の場合、農業用機械は1 / 3ではなく1/2で計算されます。

 

強い農業・担い手づくり総合支援交付金の活用例

強い農業・担い手づくり総合支援交付金を実際に利用した事例を紹介します。活用の参考にしてください。

 

椎茸・舞茸をつくる菌床テント導入費用で助成金を活用した例

山形県最上郡にあるきのこ生産事業者は、菌床製造・菌種栽培施設として利用するため、『強い農業・担い手づくり総合支援交付金』を活用してテント倉庫をを導入し、『菌床テント』をつくりました。

この例では、強い農業・担い手づくり総合支援交付金のうち『産業基幹施設等支援タイプ』が用いられました。 同事業の支援対象は、耐用年数5年以上の設備に限られるため、従来のビニールハウスでは対象とならないことから、建築物扱いになる『テント』が導入される結果になりました。 このテント倉庫は、特殊な膜材を用いた構造により、以下の写真からも分かるように、内部の明るさを確保しながら適度な日射をカットできるようになっています。

このとき導入されたのは、太陽工業株式会社の『フレックスハウス』というテント倉庫です。 『フレックスハウス』は、一般的な在来倉庫やシステム建築倉庫に比べ工期が短く、コストも抑えることができる他、膜材料の進化により耐久性も高められており、さらに光触媒技術を駆使した『酸化チタン光触媒コーティング膜』によって、圧倒的な防汚性能を発揮することもできます。

フレックスに関する詳しい情報やお問い合わせは、以下のリンクをご参照ください。
>>太陽工業株式会社『フレックスハウス』

 

まとめ

助成金について、理解が進んだり、導入を検討できたりしましたでしょうか。 この記事で伝えきれない詳細については、以下にお問い合わせいただくことで確認することができます。

交付金の対象になる商品については、太陽工業株式会社にお問い合わせください。
>>太陽工業株式会社│総合お問い合わせ

助成金の制度に関しては、農林水産省にお問い合わせください。
>>『農林水産省 問い合わせ窓口』

強い農業・担い手づくり総合支援交付金以外にも、複数の農業関連の助成金が存在します。
こちらの記事に概要をまとめていますので、ぜひご覧ください。
>>『農業経営者必見の助成金制度3選 │ あなたももらえる助成金まとめ』

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