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土木
2021/02/03

仮設防護柵の課題と解決策 │ 路面に穴を開けない低コスト・短工期の新工法とは

高谷裕美
MakMaxプラス

供用中の道路法面工事で、通行車両の安全を守る仮設防護柵。 台風やゲリラ豪雨など近年の異常気象により、道路法面崩壊の危険性は高まっており、法面工事中の落石事故対策の重要性はますます高まっています。 しかし従来工法による仮設防護柵の設置は多くの課題を抱えており、コストも高く、付帯工事によって工期も長くなる傾向があります。 この記事では、仮設防護柵の基本と従来工法の課題、その解決策をご紹介します。 道路を管理される自治体様、建設会社様、建設コンサルタント会社様はじめ関係者の方はぜひご覧ください。

 

 

仮設防護柵とは

仮設防護柵とは、主に山間部の道路法面工事において工事中の落石や崩落から走行車両や歩行者などを守る目的で用いられます。 従来工法では、コンクリート基礎を構築したり、H形鋼を地盤へ打設することで支柱を自立させて防護柵の設置を行います。

 

仮設防護柵が必要な場面

切土法面工事を伴う工事で安全を守るために必要です。たとえば、以下のような現場で用いられています。

  • 山間部の道路拡幅工事
  • 水路やダムなどの法面保護工事
  • 災害防除工事

 

仮設防護柵の従来工法における課題

仮設防護柵の設置工事は、路面にH形鋼を打設する『親杭横矢板』という工法が一般的です。しかし、この従来工法には以下のような課題があります。

  • 資材の搬入や設置工事に大型重機が必要になる
  • 騒音や振動により、周辺・近隣に環境負荷がかかる
  • 必要な設置面積が大きく、狭小道路では両側通行止めの必要がある
  • 地下埋設物調査・架空線移設・路面復旧などの付帯的な工事の負担が大きい

 

仮設防護柵の設置工法に求められる特徴とは

課題として挙げた点を解消する、新しい工法が求められています。 すなわち、以下の特徴を持った工法が理想的であるといえます。

  • 搬入や施工に大型重機を必要としない
  • 設置工事の騒音や振動が少ない
  • わずかなスペースにも設置できる
  • 路面に穴を開ける必要がない

また、山地や積雪寒冷地の多い日本の国土においては工事費は高くなる傾向があり、ますます重要性の増す仮設防護柵の設置工事はコストや工期を抑えられることが望ましいでしょう。

 

仮設防護柵の理想的な新工法『MWG工法』

従来工法の課題を解決し、同時に低コスト・短工期も実現する理想的な新工法として、『MWG工法』を紹介します。

従来工法(左)とMWG工法(右)の比較

 

MWG工法とは

MWG工法は、連続箱型鋼製枠(メッシュウォール)に支柱(H形鋼)を立てる仮設防護柵の工法です。 『メッシュウォール』という連続箱型鋼製枠内に設置したベースプレートに支柱を固定し、枠内に現地発生土などを詰めることで支柱を自立させます。 路面に穴を開けないため、大型重機や特殊作業が不要。路面復旧などの付帯工事も一切不要になるため、工期とコストを大きく抑えることを可能にします。

MWG工法は落石の衝突荷重だけでなく風荷重も考慮しております。また防護柵高さも2m~5mに対応しており、幅広く現場に対応することが可能です。

 

MWG工法の8つの強み

MWG工法は、従来の仮設防護柵工と比べて以下の8つの強みを持っています。

  1. 工期が約75%も短い
  2. 約30%のコスト低減
  3. 狭小道路にも対応
  4. 騒音・振動が少ない
  5. 現地発生土を使える
  6. 撤去が容易
  7. 事前調査が不要
  8. 架空線移設が不要

 

工期が約75%も短い

道路地盤へのH形鋼の打設が不要な(路面に穴を開けない)ことから、付帯する地下埋設調査や路面復旧などの工事が不要になります。これにより、MWG工法での仮設防護柵設置は工期が大幅に短くなります。 従来工法と比べ、最大で約75%の削減が可能です。

 

約30%のコスト低減

MWG工法は、鋼材を道路地盤に打設したり、L字型の支えを付けたりする必要がありません。そのため、鋼材の使用量がきわめて少なくて済みます。 また、大型重機や大型車両も不要で付帯工事も減ることから、工事全体のコストは大幅に削減されます。 従来工法と比べ、最大で約30%のコスト低減が可能です。

 

狭小道路にも対応

施工のための大型重機や搬入のための大型車両が不要であること、基礎部の最大幅がわずか1.6mであることから、山間や林間道路など狭小道路においても工事を可能にします。 道路幅が狭くても片側1車線を十分に確保できるため全面通行止めが不要になり、交通への負荷を最小限に抑えられます。

 

騒音・振動が少ない工事

地盤にH形鋼を打設する必要がないため、杭打機を使わずに工事ができます。そのため従来工法と比べて騒音や振動が少なくて済み、周辺への環境負荷を低減するなど近隣住民に配慮します。

 

現地発生土を使える

支柱を支える連続箱型鋼製枠『メッシュウォール』の特殊な構造により、中詰め材に現地発生土を使うことができます。購入資材や現地発生土の移動を削減し、工事を容易にします。

 

撤去が容易

道路を傷つけずに設置するため、撤去の際の路面復旧が不要です。

 

事前調査が不要

鋼杭の打設などが発生しないため、地下埋設物の事前調査が不要です。

 

架空線移設が不要

杭打機を使わないことから、架空線移設の必要がありません。これも短工期・低コストに寄与します。

 

MWG工法による仮設防護柵の施工方法

MWG工法による仮設防護柵工は簡単で迅速です。 大型重機や特殊技能を必要としない施工の手順を、写真付きで以下に紹介します。

1.搬入

メッシュウォールは折り畳んで輸送・搬入可能、保管も省スペースです

 

2.ベースプレートの設置

支柱をセットするためのベースプレートを設置。ベースプレート同士を連結プレートにより接続することで、安定性を確保します。

 

3.メッシュウォールの設置

連続箱型鋼製枠『メッシュウォール』を展開します。展開作業はわずか3~4人の一般作業員でスムーズに行うことが可能です。特殊技能は必要ありません。

 

4.土砂の充填

ベースプレートに支柱を設置し、メッシュウォール内に土砂を充填します。このとき、現地発生土を使用することもできるため、搬入や購入のコストを抑えます。重機に近接せずに充填作業が可能です。

 

5.矢板の差込

横継材を固定して木矢板を設置し、仮設防護柵が完成します。作業後はメッシュウォールガードを解体し、土砂を撤去すれば完了です。

 

MWG工法の活用事例

MWG工法は、仮設防護柵の優れた設置工法として既に各地で採用されています。 事例の一部を写真付きでご紹介します。

 

防災ダム施設の法面補修工事での活用

所在地 岩手県
仕様 防護壁高さ3.0m、T-1.0
用途 仮設防護柵
規模 45m

 

一般国道の法面補修工事での活用

所在地 岩手県
仕様 防護壁高さ4.0m、T-1.3
用途 仮設防護柵
規模 90m

 

災害防除工事での活用

所在地 長野県
仕様 防護壁高さ4.0m、T-1.3
用途 仮設防護柵
規模 100m

 

まとめ

仮設防護柵の従来工法による設置は課題が多く、工期もコストもかかっています。 路面に穴を開けないMWG工法なら安全性を犠牲にすることなく従来工法の課題を解消し、同時に低コスト・短工期を実現します。

仮さらに詳しい情報をMWG工法の公式ページに掲載しています。

また、以下の専用フォームより詳細説明やお見積も確認いただけます。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

>>お問合せフォーム
https://www.taiyokogyo.co.jp/contact/contact_publicworks.html

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