大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:能村 祐己)は、九州旅客鉄道株式会社(福岡県福岡市、以下:JR九州)が推進するユニット化待合所の開発に参画しています。2026 年2月、宮崎県宮崎市に位置する日南線内海駅において、太陽工業の小型膜パネルを用いて現場施工を省力化したユニット化待合所の第1号案件が完工しました。

JR九州日南線「内海駅」に設置されたユニット化待合所
(太陽工業の小型膜パネルを採用)

「PF LIGHTS」の技術を応用し、現地施工の工期短縮を実現
JR九州では、建設業界における労働力不足および資材・人件費等コストの増加に対応するため、現場施工を省力化する新たなユニット化待合所を開発しました。その屋根部分は、駅ホームの屋根葺き替えで実績のある太陽工業の「PF LIGHTS」の技術を応用し、これまで現場で行っていた「膜を張る」という高度な特殊作業を、自社工場内で膜を張ったパネルとして製作する方式に置き換え、専門の技術者に頼らない現地施工が可能となりました。
工場から出荷されたパネルを現地で取り付けるだけとすることで、スピード施工と品質の安定を両立しました。この工法は、現地施工の工期短縮により、限られた労働力での持続可能な建設環境の実現に寄与します。
また維持管理においても、部材点数を極力減らすことで、点検や修繕の省力化に繋がります。JR九州では、将来的にはドローンによる遠隔点検できる仕様を想定しています。

太陽工業工場内での「小型膜パネル」製作
駅ホーム上家の葺き替えの新工法「PF LIGHTS」
国内の駅ホーム上家の多くは竣工から数十年が経過し、老朽化に伴うメンテナンスや葺き替えが急務となっています。太陽工業は、これらを短工期で実現する「PF LIGHTS」を東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と共同開発(特許取得済)しました。今回、内海駅に採用されたパネルは、この技術を応用したものです。今後も更新ニーズに柔軟に対応できる「PF LIGHTS」を通じ、全国の鉄道事業者へ膜構造の活用を提案してまいります。
PF LIGHTSの特長
①駅ホーム上家に特化した膜材を開発
不燃材認定を受けた燃えない膜材を使用しています。ガラス繊維をフッ素樹脂でコーティングしているため汚れにくく、高い耐久性(30 年以上)を誇ります。駅ホーム上家に合わせ反射光害を抑えたカラーを採用しています。
②既存母屋に直に取り合えるシステムを開発
金属屋根とも併用が可能で、建築基準法の荷重条件も満たしたスペックで 2 次鉄骨や設計業務が不要になりました。新たに開発したアジャスター金具を利用して、既存の母屋に直に設置することができます。
③工期を既存工法の 1/3に短縮
駅ホームでの工事は、鉄道の利用がない深夜時間帯しか進めることができないため、短時間で一定部分の工事を速やかに進める工法が必要となります。新工法は重機を用いて作業する必要がなく、従来工法に比べ 30%程度、作業効率が向上しています。また、工期短縮によって約 40%のコストダウンが可能になります。
PF LIGHTSの開発経緯
2020 年 JR東日本との共同研究を開始
2021 年 特許出願
2022 年 JR東日本と共同で新工法による市ケ谷駅ホーム上家の葺き替え工事を実施
2022 年 日本建築学会大会(北海道)にて新工法発表
2023 年 JR東日本と共同で新工法による上野駅ホーム上家の葺き替え工事を実施
2024 年 JR東日本と共同で特許取得(特許:第 7602428 号)
2025 年 新工法「PF LIGHTS」として提供開始
2026 年 JR九州「内海駅」超コンパクト待合所へ「屋根葺き膜パネル」を提供
【ご参考:本件に関連する過去プレスリリース(当社ホームページ)】
【ご参考:本件に関連する過去プレスリリース(当社ホームページ)】
2022 年 9 月 老朽化した屋根を採光豊かで明るく汚れにくい膜素材へ更新
https://www.taiyokogyo.co.jp/news/10952/
太陽工業株式会社について
太陽工業は、創業 100 年を超える大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。1970 年日本万国博覧会ではアメリカ館において、空気圧のみで屋根を支える低ライズ(高さを抑えた)方式の空気膜構造を世界で初めて実現しました。その後も東京ドームの膜屋根取り付けや世界最大級のドーム施設であるロンドンのミレニアム・ドーム(現:The O2 Arena)など、世界各地の大型プロジェクトに参画。さらに 2025年の大阪・関西万博では 20 以上のパビリオンと施設に携わり、万博会場づくりを支えました。
経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた膜構造技術を核に、建築事業をはじめ、土木、物流、環境分野へと事業を展開し、社会の安全・安心を支えています。
イベントコンサルティングを手がける TSP 太陽株式会社、施設運営を担うアクティオ株式会社などのグループ会社とともに、「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」を掲げ、社会に新しい価値を提供していきます。



