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太陽工業の品質と信頼を支える材料評価のプロフェッショナル

中川 尚美(なかがわ なおみ)
技術開発部 技術研究所

2024.03.13

大学では食物栄養を専攻していた中川。
4年前に派遣社員として入社し、2024年1月から正社員の道へ。
未経験からスタートしながらも、現在リーダーとしてチームをまとめ、材料評価・試験分析を進めている。
初めて飛び込んだ業界で、自部署や他部署から頼られるまでに成長できた理由とは。

多様化するニーズや用途に合わせて新しい評価方法を開発。

「材料評価・試験分析」のミッションは、膜材料に適した試験や分析を行い、社外に出せる品質かどうかを評価すること。上下に引っ張る機械で強度を確認したり、加工や施工時を想定した装置で耐力を測定したりして、安心した品質の膜材料をお客様に届けられるように試験分析結果を関係者に共有します。常に7~8案件を抱えているため、納期から逆さんしたスケジュール管理が不可欠。ブロックを組み合わせるように組んだ段取りが、狙い通りに進められると「やった!」と達成感で満たされます。

膜材料は、機能や用途が多様化しているため、評価方法が確立していないケースは少なくありません。例えば、密着度の評価がその一つ。膜は織物とコーティング剤で構成されていますが、両者が密着していなければ、経年によってエラーが発生してしまいます。未然に不具合を防ぐため、織物から糸を引き抜く際の強度を測るという方法をチームで考案しました。

現場で不具合が出た時も評価方法の開発が求められるため、メンバー全員で知恵を絞って、新たな試験に挑んでいます。

失敗や自信喪失を乗り越えて得られた、好きな仕事ができる喜び。

今はリーダーとして試験工程管理や後輩の指導を担当していますが、入社当初は自分の不甲斐なさに涙したり、一つしかないサンプルでミスをしたりと落ち込んだ回数は数え切れません。もともと細かい作業が好きだったので当社を選びましたが、いざ入社してみると周りは膜を知り尽くしたプロフェッショナルばかり。当然、知識量に開きがあるので、ディスカッションをしても自分の意見をうまく伝えられず、自信を失ったことは一度や二度ではありません。しかし、そんな時いつも上司や先輩が

「中川さんがいなくなったらこの試験どうするの」

と励ましてくださったのです。解決策を一緒に考えてくださるなどあたたかいサポートがあったからこそ、今まで続けてくることができました。そして何より、私はこの仕事が好きなのです。工夫しながら手を動かし、その結果が数値として現れる「材料評価・試験分析」は、自分の天職だと感じています。

当社には、をはじめとする豊富な経験が蓄積されており、私自身もさまざまな施設に携わるようになりました。プライベートでそれらの施設を見に行くと感動しますし、「私たちが会社の信用を支えているんだ」という自負も芽生え、仕事の原動力になっています。

 

スピード感を持ってPDCAを回せるのが太陽工業の強み。

この仕事の難しいところは、試験規格のないものに対して一から評価方法を考えなければならない点です。例えば、設計部から「工事中に不具合が発生した。その理由とは?」と相談を受けた場合、原因は予想できても、理論立てて説明するにはどのような試験や分析を行うべきかを考えなければなりません。一人で抱えるには大きすぎる難題。そのため、私はいつも周囲に「どう思う?」と立ち話のように質問を投げかけます。技術開発部は、膜のプロフェッショナル集団。誰かに投げかければ、必ず「これだ!」というアイデアにつながるのです。研究所内は、常にディスカッションが行われている状況。年齢や役職問わずに自分の考えを発信できる風通しの良さが、当社の魅力だと思います。

ディスカッションする相手は、部署内の人間だけではありません。私たちに試験を依頼する部署はたくさんあり、求める内容はそれぞれ異なります。単に「強度」と言っても、直線的に引っ張った場合の強度なのか、巻きつけたうえで引っ張った場合の強度なのか、状況によって試験方法が変わってくるのです。だからこそ納得できるまで何度も質問しなければなりません。自部署・他部署との円滑なコミュニケーションが、当社の品質を高めていると言っても過言ではないでしょう。

相手の期待に応える結果が出た時はとてもうれしいですし、信頼関係ができたことによって以前よりも連携が取りやすくなりました。その場でディスカッションをして対策を練っていくこの環境こそが、太陽工業の強みだと感じています。

今のモチベーションは万博案件。社内勉強会でスキルアップ。

今、とてもワクワクしながら取り組んでいるのが、EXPO2025大阪・関西万博向けの案件です。今までにない材料を、今までにない試験方法で何度も評価して、その結果をフィードバック。この材料が世に出るための評価をしているのかと思うと、やりがいはひとしおです。このチャレンジによって向上心が高まり、会社で開かれている週2回の勉強会には必ず参加するようになりました。大ベテランの知識を吸収して、どのような案件でも柔軟に対応できる知識とスキルを身につけていきたいです。

目標は「太陽工業の製品は安心して使える」と言っていただけるような評価をしていくこと。そのために今、試験手順の統一化にも取り組んでいます。人から人へと受け継がれてきた技術をルール化し、誰が試験しても同じ結果が出るようにします。足元を固めながら前進し、将来、太陽工業の全員に自慢してもらえるような研究所にできればうれしいです。

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