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コンテナーバッグ
2021/10/27

「物流現場のムリ・ムダ・ムラをなくし、気持ちよく働ける環境づくりを」

高谷裕美
MakMaxプラス

ESG投資やSDGsなど、環境問題への関心は年を追うごとに益々高まっています。

そんな中、環境負荷を減らす取り組みとして再び注目を集めているのが、ランニングフレコンバッグです。 本記事では、長年弊社のランニングフレコンバッグをご利用いただいている株式会社プライムポリマー業務部ロジスティックグループ グループリーダーの村野恵美様に、ランニンフレコンバッグの可能性や今後の物流業界に対する展望を伺いました。

 

 

海上コンテナよりも耐用年数が長いフレコンバッグをアップサイクル

株式会社プライムポリマー 業務部  村野恵美様

素敵なカバンですね。

耐用年数を越え使い終わったフレコンバッグをアップサイクルしたカバンです。先日、親会社である三井化学の有志で活動しているMolp主催の展示会※で展示・販売しました。このカバンを持っていると街で声をかけられます。文字が入っているところが目に留まるようです。天災が増えてきており、環境問題も差し迫ってきているため、時代にマッチしてきているのでしょう。

このカバンはEVA製の原反をリサイクルしたものです。弊社では、プラスチックの原料を売るだけでなく、売った後の製品の最後まで考えることが、社会の持続可能性に対して必要なことだと考えています。
実はMolpの発案で三井化学、プライムポリマー、太陽工業の3社でLCAによるリターナブルフレコンの環境性について測定も実施しています。フレコンバッグを作る側と使う側がコラボレーションすることで環境負荷を数値化することができました。

※Molp Café:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0628.htm

 

プラスチックのフレコンバッグを長年使用した後カバンにアップサイクルすることで、さらに長く利用でき、環境負荷を軽減しているのですね。フレコンバッグはどのくらいの期間使われているのですか?

会社ごとに耐用年数を規定していると思いますが、弊社では様々な試験をもとに15年と決めています。同じように物流で利用される鉄製の海上コンテナの耐用年数が7‐8年なので、それよりも長い期間利用できることになります。

 

海上コンテナよりも長く使えるんですね!丈夫に作り過ぎました(笑)

樹脂を運ぶランニングフレコンバッグ

環境負荷を減らしながら物流効率を上げるフレコンバッグ

このカバンの材料になっている弊社のランニングフレコンバッグですが、貴社でご利用いただいてどれくらい経つのでしょうか?

プライムポリマー発足時より、長年利用しています。ランニングフレコンバッグが活用される以前は、米袋のような25kgの紙袋が主体で、人が運んでいました。人で対応できてしまうので、お客様側でも設備投資を避けてしまうという面がありましたが、フレコンバッグの誕生で機械を使い1tほどの原料を一気に投入できるようになったことで、自動化が進みました。

ランニングフレコンバッグだと循環型なので、廃棄物が減り環境負荷を減らせるとともに、資源を循環させることでコストダウンにつながります。

また、ワンウェイフレコンバッグに比べて物流の効率化にも寄与しています。日本は国土が狭く、コンパクトな倉庫が多いため効率的に保管したいという要望があります。ワンウェイフレコンバッグは内袋があり空気が抜けきらないので、段積みしたときに安定しません。ワンウェイフレコンバッグは2段しか積めないところを、弊社で利用している角型のランニングフレコンバックだと2倍の4段積むことが可能です。弊社の工場内はもちろん、営業倉庫や我々の顧客である需要家さんの工場内でも同じように保管でき、効率的に資材を保管しています。

 

荷主だけでは見えないデータと経験で提案していくパートナー

太陽工業のランニングフレコンバッグはどのように役に立っていますか?

包材としてランニングフレコンバッグを利用しているだけでなく、バックの管理もお願いしています。

ランニングフレコンバッグは
  1. 内容物を充填する
  2. 需要家様(お客様)へ運ぶ
  3. 需要家様で排出
  4. 空のバックを回収
  5. コンテナサービスへ運ぶ
  6. 洗浄・点検・メンテナンス
  7. プライムポリマーの工場に返却・・・
というサイクルで何度も利用されますが、このサイクルの中でフレコンバッグがどこに何袋あるかの管理を太陽工業さんに管理してもらっています。このランニングフレコンバッグを製造してから寿命が終わるまで全てを管理しているのが魅力です。物流というのは、包材の生産は太陽工業のような包材メーカー、物流は物流企業、内容物の投入は製造業など、それぞれのプロセスで担当する企業が分かれてしまうので、情報が途切れてしまうことが往々にして起こります。一貫して管理していただくことで、荷主である我々だけではわからない部分や専門家の知見も活かし、運用面でも製造面でも改善提案をしてくれます。

長年パートナーとしてお付き合いする中で、担当者が変わりながらも、弊社の事情や提案力が脈々と受け継がれています。パートナーとしてお互いに育っていく持続可能なスキームだと感じています。

 

よく弊社の営業が「本業に集中できる」と表現することがあります。管理は太陽工業にお任せいただいて、担当者の方々は本業に注力できると考えています。

そうですね。管理をお願いする前は、私がフレコンバッグ・パレットの回収業務をしていました。手探りで日々現場に張り付いて管理をしていました。フレコンバッグが不足すれば内容物を充填できない、充填できなければ工場の生産が止まり、莫大な損害が出てしまいます。ランニングフレコンバッグが足りないときは、ワンウェイフレコン・紙袋を代用することで対処していましたが、一気通貫でお任せできるようになり、すごく助かっています。

太陽工業 営業担当 宮本 憲幸

 

現場のムリ・ムダ・ムラをなくし、気持ちよく働ける現場を目指す

今後の物流業界を考えて今取り組んでいることなどあれば教えてください。

日本社会全体で人材不足が懸念されています。今はドライバー不足に焦点が当たっていますが、今後現場作業員の確保も難しくなっていくのではないかと考えています。

私自身、入社以来物流業界に30年携わっており、現場からキャリアをスタートしています。真夏の暑い日、真冬の寒い日、現場でどんな作業をしているかをずっと見てきました。そういう現場を見てきているので、いつも考えるのは「ムリ(無理)・ムダ(無駄)・ムラをなくす」ということです。現場の方々は、確かにそれが仕事かもしれないが、その仕事がより効率的に・楽に・気持ちよくできるかを考えることが荷主の使命だと考えています。

物流は人がかかわるところが多く、機械化されていない部分も多々あります。それは技術が遅れているというわけではなく、人で対応できるので人に頼ってきている業界なのです。1トン単位であれば少し動かすだけでもフォークリフトの操縦が必要になります。今後、働き方改革でこのあたりのハンドリングも自動的にできる方法を考えなければと思っています。

弊社では昨年から、車両予約やハンディターミナルなどのシステムを入れて試験運用をしています。ハンディを使い、出荷検品のような製品のトレーサビリティだけでなく、包装材など製品に寄与するものも紐づけられるようにしたいと考えており、太陽工業さんにも協力してもらいながら試験しています。

 

日本発!世界中で循環型物流の実現を

これからの物流業界を見越して、「未来のフレコンバッグ」に求めるものがあれば教えてください。

短期・中期・長期の3ステップで考えました。

まず短期的な観点でいくと、回収して繰り返し使っている既存のランニングフレコンバッグの取り扱いやすさです。先日1袋EVA製で13kg※で軽くなったと言われましたが、フレコンバッグとしては軽くても日常生活に置き換えると重いと思います。(※以前はPVC製で約20kg)また、もっとコンパクトに折りたためると持ち運びが簡便になり、ハンドリングの負荷も減らせ、回収も簡単にできるのではないかと感じています。 荷役はドライバーの役割ではなく、荷主の役割というような形が主流になってきています。これからは高齢者も女性も仕事を選ばずに従事できるような環境づくりが求められてくるので、人が作業しても重労働にならないような仕組みが必要です。今後ランニングフレコンバッグを広げていくためには、既存の耐久性・耐用年数・品質を残しつつ、それ以外に環境や人に配慮したランニングフレコンバッグを開発してほしいと感じています。

 

コンパクトになって作業しやすいと、弊社側のコンテナサービスの洗浄のところも楽になります。

次のステップとして、国内でのリサイクルシステムの確立として共通袋がほしいです。先ほど循環という話をしましたが、国内の自社グループの工場内だけの循環です。似たものでパレットを例にとると、レンタルパレットなど、他社も共通して利用できるような仕組みがあります。このようなシェアできる仕組みがあると全体的な数量が減ります。保持する数量が減るのであれば、耐用年数が少しくらい短くなってもよいのではないか、などいろいろな選択肢が増えてくると思います。

共通袋を全国で利用し、回収→再利用→利用終了後もリサイクル化、という循環型の流れをつくるためには、同業他社を巻き込む必要があり、それができるのは製造メーカーだけです。ユーザー側では自分の会社のことだけで、隣の会社がどんなサイズでどんな形をつかっているのかわからないからです。パレットの14型共通のように製造メーカーが「共通の仕様はこれ!」という仕様を指定し、「これに合わせるしかない!」という状況になれば、我々ユーザーも共通袋を使うことを選択できると思います。

太陽工業さんが各社の共通項をとって共通袋をつくる、洗浄もする、使い終わったものはリサイクルする、という循環型のサイクルを作り、ユーザーはそのサイクルに乗れば、環境に配慮した包材を活用でき、このプロジェクトに参画しているだけで、各社で調査しなくても「環境配慮しています」と胸を張って言えるような付加価値を提供してくれるといいですね。

最後に、これは遠い未来かもしれませんが、世界中でランニングフレコンバッグの物流システムを利用できるような世界を夢見ています。現在のランニングフレコンバックは国内だけの運用ですが、世界的にフレコンバッグはリサイクルできるのではないかという話になってきています。環境負荷の観点では、資源を再度資源に戻して利用するより、同じ製品を何度も使った方が環境負荷を軽くすることができます。そのため、海上コンテナのように世界共通で使えるランニングフレコンバッグができるといいなと思います。回収スキームがなく、乗り捨てができないことが難しいところですが、東南アジアから日本、アメリカというように、通いのフレコンバッグがあってもよいのではないかと思います。弊社は樹脂を運ぶことが多いので、他にフレコンバッグに何を入れるか、あまり想像できていませんが、、、米や小麦、コーヒー豆とかですか?

 

そうですね。素材だと石灰やセメントが多く、食品だとデンプンやコーンスターチが多いです。

素人考えで、パッケージで中に薄いフィルムを張ることで周りだけ洗浄でよいのではないかとか、海上コンテナに載るサイズで積載量マックスにするにはでどんな形がよいのかを逆算してフレコンバッグの共通袋を設計したらよいのでは、、、など色々と思いを巡らしています。 いずれにせよ、フレコンバッグの循環システムは「日本発」と唄えるシステムだと思うので、世界に広げていきたいと感じています。

現場作業の話から、世界に広がるフレコンバックのお話など、広くお話いただきました。
今後もよきパートナーとして一緒に業界を盛り上げていければと思います。ありがとうございました!

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